So-net無料ブログ作成
検索選択
前の30件 | -

CPUのハードウェア的欠陥 [ハードウェア]

コンピュータの心臓部とも言えるCPU(中央演算処理装置)。
単純なラジオなどに使われるようなトランジスタ(正確にはCMOSプロセスで製造されるFETだが)が、現在では億単位集まって回路を形成しているこのCPUに、ハードウェア的な欠陥がごくふつうに存在する事を知る人は少ない。

何故なら、もしCPUに欠陥があれば正常に動作しないと一般的に信じられているからだ。

しかし現実には常に多数の欠陥を抱えながらも、仕様を満たす動作が正常に行われれば良いのであり、これに影響が無いものや再現性が極めて低いものは放置され、致命的であると判断された欠陥のみが修正され出荷されている。


こうした背景の中、現在AMD及びIntel双方の最新CPU(RYZEN,Skylake,Kabylake)にはそれぞれ大きな欠陥が見付かったとして、一部で問題になっている。


AMDのRYZENの場合、この問題は「SEGV問題」と呼ばれ、今の所はLinuxでカーネルビルドというOSの基幹プログラムをソースコードから実行プログラムに変換(コンパイル)する時、コンパイルが正常に終了しない“場合がある”という現象を引き起こしているようだ。

Ryzenで発生しているSEGV問題、原因はCPUのキャッシュ
https://srad.jp/story/17/06/23/0550221/

原因については一部の人達による検証において“CPUのハード的なエラーである”と推測されているが、同一条件での再現性が無いために原因が特定されているとは言えない状況。

さらに、多くの不具合報告が寄せられているにも関わらず、自分の環境では出ないという報告もまた多いようだ。

このような状況であるため、問題の深刻度は極めて低いと私個人では判断している。
なにしろ私自身RYZENでWindowzを使っていながら問題に遭遇した経験が無いからだ。

まあ、一部のプログラマには影響があると言えるが、それもコンパイルに失敗するケースは極めて限られた条件の上に確率は数%であり、失敗したらやりなおす事で正常にコンパイル可能で、いくつかの条件では回避策がすでに確立されていて、一部とはいえ問題は解決している。
またコンパイルしたプログラムが正常動作しないという報告は見かけないため、事実上影響はゼロに近いと思われる。

ただし、こうした目に見える不具合は今の所これだけに思えるが、実際には主にメインメモリのモジュールに関する相性という形で不具合は出ており、こうした実質的な影響が事実上ゼロに近い複数の欠陥について、不具合を解消したRYZENが近々出荷されるという話が出ている。


そしてIntelのSkylakeとKabylake場合、事態はRYZENよりも深刻そうだ。

IntelのSkylake&Kaby Lake世代のCPUには(中略)重大なバグがあると判明
http://gigazine.net/news/20170626-intel-skylake-kabylake-bug/

この問題はハイパースレッディングという、1つのCPUコアで二つのスレッドを走らせる機能を有効にしていると、データ欠損やプログラムエラーが発生するとういうもの。

しかしこれも発生の条件が非常に限られると考えられるので、事実上問題にならないと思われる。
これは発売以来この問題による混乱が起きていない事が証明している。

ただし今の所発生の条件がまったくわからないようなので、この問題が致命的トラブルを誘発する恐れがある環境の場合、ハイパースレッディングをオフにした方が良いと思う。


というわけで、最新のCPUに関する最も新しい欠陥のニュースを二つ取り上げたが、調べてみれば過去にある程度大きなニュースになった問題は検索すれば数多く見付かる。

こうした問題は一部でデマや風評被害の流布に利用されているため、それらに惑わされないためにも事実を知っておいたほうが良いと思う。

興味のある方は“CPU エラッタ”などのキーワードで検索すると良い。


CPU エラッタ
https://duckduckgo.com/?q=CPU+%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BF&t=ffsb&atb=v58-3&ia=web


M.2 SSD用のヒートシンク [ハードウェア]

ssd_hc04.jpg

NVMe対応のM.2 SSDが熱い。いや、注目を浴びているとかそういう意味だけではなく、文字通り温度の話だ。

PCI-Express直結のインターフェイスで接続されるNVMe対応 SSDは、かつては拡張カード用PCIeスロットに増設するタイプが主流だった。しかしM.2スロットは元々PCIe規格に対応する。従って昨年頃からM.2対応のSSDの中に、SATA接続ではなくNVMe対応のSSDが出始め、現在少しずつ対応SSDの種類が増えている。

しかしNVMe対応のM.2 SSDには大きな問題がある。

NVMe対応SSDは、読み書き速度がSATA接続のSSDの4倍以上もある。これによってNAND FlashのI/OとNVMeインターフェイスを司るコントローラチップは処理能力の増大と共に消費電力も増大し、消費電力の増大は熱の発生を激増させた。
この問題はPCIeスロットに増設するタイプのNVMe対応SSDの場合、基板の大きさが放熱を助け、また大型のヒートシンク搭載が容易であるために問題になる事は無かった。

一方M.2 SSDの基板は小さい。
熱問題の解決のために、コントローラの温度が一定値を超えるとサーマルスロットリングという防御機構が作動してコントローラの能力を下げ、消費電力を減らす事で熱暴走や故障といった不具合を回避しているが、これではNVMe SSDを使うメリットが薄れるし、なによりもSSD全体が高温になるため書き込まれたデータの保全すら怪しくなるので安心して利用出来ない。


そして私がRYZENのパソコンに使うために買ったADATA製の“XPG SX8000”というM.2 SSDもまた、熱問題に悩まされるNVMe対応SSDなので、先日のテストで温度を測ったところたった2~3分の全力動作で容易に60℃近くまで温度が上昇。
アイドル状態でも50℃近く、省電力モードでも40℃中盤という状態で、室温20℃でPCケースに入れていない時にこの温度ならば、夏場のPCケース内の温度を勘案するとさらに10~20℃温度が上がる可能性がある。

ただしある情報サイトのテストでは約65℃でサーマルスロットリングが発生するとの事で、それ以上には上がらないかもしれないが、その場合読み書き性能はかなり落ちると思われるし、なにより温度が高いとSSDが故障する可能性がハネ上がる事だろう。


そこでSSDにヒートシンクを、と思うのだが、市販品にはロクな物が無い。

製品名は書かないが、1~2mm程度の厚さしかないアルミ板を、2cm x 7cmくらいの大きさに切ってテープ止めるだけみたいなのが数種類と、アルミの押出成型でいくらかフィンを備えたタイプでも取り付けに不安があったり、ヒートシンクの体積が少なくフィンの効果も薄そうなど、本当に無いよりはマシ程度の製品ばかりだった。

唯一これならば、と思った某台湾メーカー製の製品もあるにはあるのだが、ネット通販で買える店を見つけられないために田舎住まいの私には入手方法も無い。まさかそれだけのために秋葉原まで出向いて、在庫のある店を探し回るなどゴメンだ。


というわけで、面倒だが自分で作ってしまった。

材料はその辺に転がっていた5mm厚のA1100アルミフラットバーと、1mm厚のA1100アルミ薄板。

これらを適当に工作して出来たのがコレ。構成部品は高さ2mmのフィンを6本刻んだヒートシンク本体に、固定用金具とネジ、熱を伝えるための絶縁材料で出来た0.5mm厚のサーマルパッド。

ssd_hc01.jpg
ジャンクな材料を使った手作りなのでキズだらけ、アルマイト処理も無し。

ssd_hc02.jpg
XPG SX8000と並べてみた。

ssd_hc03.jpg
取り付けた状態。ヒートシンクは絶縁されていないので取り扱いには注意が必要。


正直後付け部品として売るならこの程度の作りの製品が出て欲しいと思う。
いくらなんでも薄いアルミ板を多少曲げて密着させるだけのヒートシンクでは無いよりマシな程度だし、その商品が1000円前後というのは高すぎると思う。

需要を考えれば生産数が稼げないために高くなるのは仕方ないかもしれないが。


根本の問題はコントローラの発熱なのでその発熱を減らす事が一番必要な事だが、しかしこれにはまだしばらく時間がかかる。

この問題が解決しない間は、貧弱な能力の市販ヒートシンクで耐え忍ぶか、自力でなんとか解決する方法をヒネリ出すしかなさそうだ。


参考:

RYZEN 1600X搭載パソコンの性能(ほんの一部だけ)
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-05-29


相変わらずのバイドゥ&Simeji [セキュリティ]

ここしばらく黒翼猫という方のサイトを訪れていなかったが、今日訪れてみるとこんな記事が上がっていた。


Simeji IME / Baidu IMEのインストーラーに脆弱性→調べたら直っていなかった件
http://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1950649.html


毎度の事だが、Baiduのアプリケーションは悪質なサイバー攻撃となんら変わりないと、個人的には思う。

この記事には元ネタとしてこんなサイトのリンクも貼ってあった。


「Simeji」のWindows向けベータ版インストーラーに脆弱性
http://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1064154.html

[Simeji Windows版(β)]文字入力システムのインストーラにおける DLL 読み込みに関する脆弱性
http://jvn.jp/jp/JVN31236539/


これらのサイトは私が定期的にチェックするサイトではないために見逃していた。

しかしほぼ毎日チェックしているサイトにBaidu IMEとSimejiに関するこの問題の記事がまったく無かったのはどういう事か。過去に私が記事を消されたり、Wikipediaの記事が何度も繰り返し修正されたりした事と無関係には思えない。
影響力の強いサイトにはBaiduに都合が悪い情報を載せないような、なんらかの影響を与えている可能性があるという事だ。

bsmondai.png
グーグルで検索してもほとんど出てこない(たったの3件だけ、他は過去の話題のみ)

今回は問題を修正しましたという嘘を発表するが、すぐに何もしていない事が発覚。
やってない事をやったと主張するなど悪質極まりないし、問題の内容を考えると故意にやっているとしか思えないのだが。

Baidu IMEのインストーラーに脆弱性、今度こそ直したよ!→調べたら何も直っていなかった件
http://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1950691.html


まあこういうお粗末な所があるのが中国企業らしいといえばらしいが、注意深い人でなければ恐らくこうした表面的な情報に目を奪われて、実は他の問題から目を逸らせる方便である可能性を考える事も無いだろう。

バカを装って影でコソコソと何かやるというのは、多少頭の回る者ならば可能な事だ。


なんにせよ、セキュリティに関する情報を日頃から注意して調べている私ですら気付かなかったニュースである。

こうした事にほぼ無関心の者は、知らないのだからBaidu IMEやSimejiをなんの疑いもなくインストールすることだろう。

また知ったとしても「自分には関係無い」と判断してインストールする事もあるかもしれない。

サイバー攻撃を仕掛ける者は、こうした大衆の無知と無関心を最大限に利用した攻撃を行う。

多少の問題発覚はBaiduにとって行動になんら制限がかからないどころか、むしろ相手の油断を誘うエサになっている。なにしろ過去にあれだけ騒がれても利用者が少なくないのだから。


Baidu(バイドゥ・百度)の「Baidu IME」及び「Simeji」によるサイバー攻撃は、今後も確実に成果を上げ続ける事だろう。


私は日本語入力に、Windowsの場合ジャストシステムのATOKを、Androidの場合はオムロンのWnnを強く推薦する。

Windowsの場合MS IMEの開発がMicro$oftの中国国内の開発室なので、標準搭載の日本語IMEの使用には注意が必要だ。


ATOK
http://www.atok.com/


Wnn Keyboard Lab
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.omronsoft.wnnlab&hl=ja



アクマノスウジ [セキュリティ]

記事を書こうと思ってログインしたらこんな数字が。

kemononosuji.png

「666」が悪魔を表す数字だとかいう迷信を思い付いたカルト教信者に乾杯。
そしてその被害者には哀悼を。


私の感覚ではコレに相当するのがLINE
血が流れないからわかりにくいが、それこそ理解していてやっているのだろう。

LINEがスマートスピーカーWAVE」発表、内閣府協業の行政サービス連携も
http://ascii.jp/elem/000/001/500/1500108/

・・・韓国の国策企業(=スパイ)が日本の内閣府とツルんで事業とか。

しかもCEOに日本人の名前が出ている所が笑える。


まあ、アレだ。

○○に念仏という言葉の意味を身に染みて実感する事が多い今日この頃。

これもそういう類の話なのかと、諦めと共にどうすればいいのかと考えさせられる。

○○テクとかいうので世渡り上手と誤認する連中が、○○相手にそれが通用するからといって増長した結果がコレだ。

それを止められない、○○の既知の外に居る者共も者共だが、彼らは彼らで色々あって仕方ないとも。結果だけ見れば仕方ないでは済まないのだが。


いずれにせよ外国の国策企業は、その影響力を利用して敵対国の中枢にアクセスする手段をまた一つ得たという事だ。

どの組織も中枢がボンクラ揃いである以上、気付いている者は自己防衛するしかあるまい。

全体の1%に満たない者が全国に散らばっている現状、国政には無に等しい影響力しか無いのだから。


大きなオニギリに16個のウメボシ+α [ハードウェア]


ALIENWARE、16コアのRyzen Threadripper搭載ゲーミングPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1064829.html


スゴイ。

何がスゴイかって、まずはその見た目だ。

海苔と金箔で包んだオニギリ。

う~ん。


まあ見た目はともかく、問題は中身。

なんとウメボシ(CPUコア)が16個!

ウメボシの種類はAMDのZENで、ThreadripperというモンスターCPUだ。(Intelのもあるみたいだが)

ウメボシの他には二桁万円のビデオカード2枚にオーバークロックメモリ4枚でもオカズとして突っ込んでいるのだろうか。

ケース抜きで部品だけ買っても40~50万円?いや、もっとか。

パソコンとして完成品を売るとなると70万くらいになるか?


パソコン一式100万円以上の時代を知っていても、今の相場(10万以下が当たり前)に慣れるとこの値段はシビれる。

よほどこのスペックが必要でもなければ、バカバカしくて出せない内容と金額である。


しかも、それ以前に問題なのがCPUのコア当りの処理能力。

私がRYZENを買う時にX無し型番より高い動作周波数のX付き型番に拘ったのは、一般庶民の使うアプリケーションソフトウェアでは、コア数よりも1クロック当りの命令処理能力と動作周波数の方がタスクの処理に対する影響力が大きいからだ。

その点Threadripperは16コアもあってTDPの制約から動作周波数は低めだろうと・・・記事を読んだら3.8Ghzとか。水冷で冷やしているとか。


・・・ずいぶんと高級なオニギリである。



イナゴの恐怖 [雑談]

イナゴは周囲の草を食べ尽くすと、新たな食料を求めて移動、という事を繰り返す。

この記事を読んで脳裏に浮かんだイメージだ。


英国人のドイツ市民権取得、2016年に急増 EU離脱決定が影響か
http://jp.reuters.com/article/germany-britain-idJPKBN1940W0


まあ、イナゴはどの国にだって居るし、種類も多くて国をまたぐ移動をする者ばかりではない。

いずれにせよ、イナゴが害虫である事に変わりはない。



B350-PLUSにベータ版UEFI BIOSを入れてみた [ハードウェア]

6月に入ってから一度も電源を入れていなかったRYZENのパソコン
理由は普通に忙しかった事と、時間がある時は新しく買ったケースの加工に時間を割いていたからだ。

そんな事をしている内に、いつのまにかASUSからB350-PLUSの新しいUEFI BIOSがアップロードされていた。
それはAGESA 1006を適用したベータ版の0803だった。


そこで今日は午前中ヒマがあったので、期待をこめて私のB350-PLUSをアップデート

これでDDR4 2666で動くかなーと思いながらメモリ周りの設定変更をして再起動すると。

Windowz7のブート画面が出た。そして旗のアニメーションの最中にBSODで強制再起動。

・・・やはりダメか。


また、遊びでDDR4 3200の設定も試してみた。
レイテンシの設定は市販のオーバークロックメモリを参考にし、電圧は1.35Vで再起動。

こちらは当然のようにUEFIすら起動せず、自動的にSPDの設定を読み込んで再起動してきた。


まあ、元々がDDR4 2400までのメモリではAGESA 1006を適用したとしても無理があるか。

最後にアップデートする前のUEFI BIOSの時DDR4 2400で安定していた設定にした所、こちらは当然のように動いた。

というわけで今日はここまでだ。


PCI Express 4.0遅延の影響 [ハードウェア]

現在一般のパソコン用内部バスで最も高速なものは“PCI Express”であり、現在は“PCI Express 3.0”が利用されている。
PCI Express 3.0(以降PCIe 3.0)はシリアルインターフェイスであり、一般にはこれを1本で、或いは4本、8本、16本と束ねてその先に様々なデバイスを接続して利用されている。

現在最も高速な規格のPCIe 3.0の場合1本で1GB/sec(双方向2GB/sec)と非常に高速だが、近年SSDの高速化によってこれでも速度が足りないという意見が出てきた。実際NVMe対応のM.2規格SSDは2GB/secを超えるものがあり、現在はNVMeがPCIe 3.0を4本で接続されている事からまだ多少の余裕があるが、これでも足りなくなる事はそう遠くない未来に思える。

他の周辺デバイスではビデオカードがPCIeを16本束ねたインターフェイスを使い続けているが、こちらはPCIe 3.0ですでに8本分の速度でも十分間に合っており、それ以外のSATAに接続するハードディスクやギガビットイーサネットコントローラ、USB3.0などの速度が必要な物も、PCIe 3.0で十分間に合っている状況である。

従って現在PCIe 3.0を超える速度の新規格は高速なSSDの登場による必要性がほぼ全てであるが、これこそが現在危急の課題となり市場がPCIe 4.0の登場を待ち望んでいる理由であるにも関わらず、このPCIe 4.0は今年、2017年第一四半期に策定が完了する予定であったのが延期になっている。

PCI Express Gen4のRevision 1.0は2017年第1四半期を予定
http://news.mynavi.jp/articles/2016/07/05/pcisig2016/

New PCI Express 4.0 delay may empower next-gen alternatives
http://www.techrepublic.com/article/new-pci-express-4-0-delay-may-empower-next-gen-alternatives/

PCIe 4.0の規格策定は昨年まで順調とされていた。しかし実際には順調ではなかった。
そして第二四半期があと3週間で終わろうとしている今日、こんな記事が出た。


PCI-SIG、現行の4倍の速度を実現した「PCI Express 5.0」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1064398.html


この記事は主にPCIe 5.0のアーキテクチャを発表、という事になっている。だがこれに便乗する形でPCIe 4.0に関する発表も行われていて、記事では“またPCI-SIGは同時に、規格策定中のPCI Express 4.0についてもリビジョン0.9を公開した。こちらは2017年中の完成を目指す。”と書かれているではないか。

つまり今現在でも“リビジョン0.9”と完成しておらず、さらに何時完成するかということも公式に発表できるものが何も無いのだ。
もし完成の目処が立っていれば、昨年以前の公式発表で「2017年第一四半期」とされたように今年の第四四半期辺りの発表を予告しても良さそうだが、それが無いという事は問題解決の目処が立っていないという事と同義であると私は思う。


というわけで、何時実際の製品で使えるかわからないPCIe 4.0であるが。

私がこんな話題をここで書く事にも理由がある。
それは、RYZENのパソコンを組み立てる際にマザーボードを選ぶ作業中、SATAインターフェイスの数が足りないなぁと思った事が発端で、調べてみるとPCIeの数(具体的には内部バスの帯域)が足りていない事が一因ではないかと考えたからだ。

もちろん私が選んだB350チップセットのマザーボードではなく、X370チップセットのマザーボードを選べばSATAが6個あるので足りる。しかしこれは私個人のSATAが足りない問題の解決にはなるが、問題の本質からは外れているし、私はX370チップセットが乗った“ちんどん屋”みたいなマザーボードを使いたくなかったので、SATAが足りないとしてもB350搭載マザーボード以外に選択肢は無かった。

そもそもSATAインターフェイスが出ているチップセットは、CPUから出ているPCIe 4本で接続されている。これは片道4GB/s、双方向でも8GB/sの速度。
対してX370の場合、SATAが6本で4.5GB/s、USB3.0が四つとUSB3.1が二つで合計5GB/sの帯域が必要である。全てが同時に帯域の100%を使い切る事は無いとはいえ、単純な足し算ではこれだけで9GB/sにもなりまったく足りていない。(内部的にLANのハブみたいにスイッチでPCIeを分岐させているから帯域が足りていないにも関わらずこんなにデバイスをブラ下げる事が可能だと思われる)

さらに個人的にはNVMeのM.2スロットは2本あってもいいと考えている。
RYZENのNVMeはCPUから出ている専用のPCIe 4本で接続されていて、いくつかのマザーボードにある2本目のM.2スロットはSATAインターフェイス2本を使用できなくする代わりにチップセットから出るPCIe 2.0 4本で接続されたスロットになっていて、2GB/sを超える速度のSSDでは性能を100%発揮できない。

そして現在のNVMe M.2スロットはPCIe 3.0を4本で接続するが、もしこれが性能を落とさず2本に減らせればこれだけでNVMe SSDを2本接続出来るようになる。CPUから引き出せるPCIeの本数は配線の関係で限りがあるので、高速なSSDを複数使いたい場合にはPCIe 4.0は絶対に必要という結論になる。


以上の事から、PCIe 4.0の策定遅延は今後さらに高速なSSDの登場や、私のようにストレージを多く接続したい用途の場合致命的な影響を与えるのが理解出来ると思う。(単にハードディスクをたくさん使いたいだけならUSB3.0でも代用出来るし、SATAインターフェイスカードを増設すればまったく問題は無いのだが!)

もちろん一般消費者の大半は今後10年以上(もしかしたらもっとかも)、今のPCIe 3.0ですらオーバースペックだと思うが、今後速度と省電力化の両立を図る場合にも高速なバス技術は重要性を増すので、その礎として考えても、早くPCIe4.0が世に出て欲しいと私は考えるのである。


ネタだと思っていたCore i9 [ハードウェア]

先週辺り一部で「Core i9」のウワサが広がっていた。

この時点ではまだ海外のサイトでどこからかリークした情報が話題になり、それが日本に入って来たという状況だったので、可能性を排除出来ないまでもネタだと思っていた。

名前にしても、今までCore i7で統一していたのに今になってCore i9。名前に付く数字ですらAMDより大きくなければ気が済まないのかと。


が、昨日(05/30)ついにIntelからCOMPUTEX TAIPEI 2017において正式発表された。
細かい所で多少の差異はあったにせよ、ウワサは本当だったのだ。

COMPUTEX TAIPEI 2017 - Intel、16コアRYZEN対抗で最大18コアの「Core i9」を投入へ
http://news.mynavi.jp/articles/2017/05/31/computex14/

今回発表されたCoer i9のラインナップは5種類。7900X~7980XEまで、20番飛びで設定されている。(他にCore i7とCore i5も含まれる)
この中で動作周波数など詳細がはっきりしているのは7900Xのみで、他はコア/スレッド数と価格程度しか明らかにされていない。

BASETurboMAXコア/スレMemoryTDPSocket価格
Core i9 7980XE---18/36--2066$1,999
Core i9 7960X---16/32--2066$1,699
Core i9 7940X---14/28--2066$1,399
Core i9 7920X---12/24--2066$1,199
Core i9 7900X3.34.34.510/204ch DDR4 2666140W2066$999
Core i7 7820X3.64.34.58/164ch DDR4 2666140W2066$599
Core i7 7800X3.54.0NA6/124ch DDR4 2400140W2066$389
Core i7 7740X4.34.5NA4/82ch DDR4 2666112W2066$339
Core i5 7640X4.04.2NA4/42ch DDR4 2666112W2066$242


ウワサの中にはベースクロックが4.0Ghzという情報もあったが、これは否定された。

また一部のモデルを省きメインメモリはDDR4-2666に対応するようだ。同時に発表されたCore i7とCore i5もDDR4-2666に対応するようなので、今年末までにはオーバークロックメモリではないDDR4-2666に正式対応したモジュールが販売されるようになるのかもしれないが、AMD同様にシングルランクメモリに限り、各チャネル1枚までという制約が付くと私は予想する。


この件に関して思う事はあと一つだけ。

表を見る限りやっつけ感が酷いと感じるのは気のせいだろうか?
Intelとしては過去のハイエンドモデルとの差別化に苦労しているのかもしれないが、仕様にしろ価格にしろ、何か一本スジが通っていないような、中途半端な印象が強いのだ。

正直なところIntelほどの大企業で働く人達がこのような仕事をするとは思いたくはないが、これが現実か。


そんなわけで、今回の発表内容は実際に製品が出る頃には多少変わっている可能性がある。

それにしてもIntelの混乱振りを現す内容だと思う。



RYZENの省電力機能とX型番の“XFR” [ハードウェア]

RYZENは、型番の末尾に“X”の付く型番のみ、定格での運用中であってもターボブーストによるオーバークロックをさらに超える動作周波数に自動でオーバークロックをする「Extended Frequency Range(XFR)」という機能が備わっている。

今回はHWiNFOを使ってRYZEN 1600Xの省電力機能で電圧や動作周波数などがどう変化しているのか、そしてXFRがどの程度オーバークロックしているのか調べてみた。

以下はHWiNFOのスクリーンショット。

HWinfo_0.png
CPU、GPU、及びメインメモリの各種情報。メモリは1.2VのDDR4 2400で安定動作。

HWinfo_1.png
マザーボードのメーカー及び型番だけでなく、UEFI BIOSとAGESAのバージョンまでわかる

HWinfo_2.png
各項目の、赤線で囲んだ数値に注目。

省電力機能による電圧と動作周波数の降下は、それぞれ違った意味で思った以上だった。

電圧はまさかの0.4V。ここまで下がるのか。(CPUコア全体では0.8Vほどだが)
動作周波数は逆に2.1Ghz程度までしか下がっていない。(場合によって完全に停止している事もあり得るが)
この時のCPUコア単体の消費電力は、HWiNFOの数値を信用すれば1コア当り0.005~0.018W。6コア合計でも0.7W程度しか消費しない。
しかしCPUコア以外の、3次キャッシュメモリやメインメモリ及びPCIe等各種インターフェイスの消費電力を含めると12.374Wになっている。これはパソコン全体の消費電力が最低で21W程度だった事を考えると納得のいく数値だ。

この結果から、定格動作で一般的な事務用途程度の負荷で使う分には消費電力が低い割りに処理性能が高く、非常に優秀なCPUである事がわかる。

対して先日のCINEBENCH動作時の消費電力を見ると、動画のエンコードやゲームなどの長時間負荷の大きい処理を続ける用途では処理能力の優秀さは変わらないが、消費電力の上昇が大きいのでこれに対応した温度管理が必要になるだろう。

これは製造に使われる14LPPの性格を色濃く反映していると言える。


またXFRによる自動オーバークロックは、驚いた事に4092Mhzまでクロックが上がっている。AMDの公表する仕様ではターボブーストというオーバークロック機能で最大4.0GHzだが、瞬間的にとはいえXFRによるオーバークロックはこの数値を100Mhz近く超えた事になる。

それからこのXFRによるオーバークロックは8コア製品で6コア以上がC6ステートというアイドル状態になっていないと動作しない(つまり最大2コアしかオーバークロックしない)仕様だが、6コア製品の1600Xの場合どうなのか。4コアで1モジュールのCCX内でこの動作を行っているとすれば、4コア中1コアのみ有効の機能かもしれない。
この仮定が正しければ二通りの動作が考えられる。
一つは4コア全部が生きているCCXのみ、XFRが有効になる場合。もう一つは1コアでも有効になっていれば、全てのCCX内で3コアがC6ステート(2又は1コアのみ有効のCCXであれば、無効なコアは常時C6であるという考え)の場合残りの1コアでXFRが有効になるというものだ。
前者であれば6コア製品の場合1コアのみ、後者であれば2コアまでXFRによるオーバークロック動作するはずだ。もちろんどちらも違って、コア数に関わらずXFRは1コアのみオーバークロックする事も考えられるが。

そして電圧に関しては、XFRによるオーバークロック時CPUコアに供給される電圧は1.538Vにまで上がっている。

RYZENが4Ghzを超える高い動作周波数を実現するには、如何に高い電圧が必要になるかよく理解出来るというものだ。



RYZEN 1600X搭載パソコンの性能(ほんの一部だけ) [ハードウェア]

RYZEN 1600Xで組んだパソコンに無事Windowz7のインストールが出来たので、今回は軽く性能検証を行ってみる。

検証に用いたパソコンの構成は以下の通り。

CPU RYZEN 1600X
マザーボード ASUS PRIME B350-PLUS
メインメモリ Corsair CMK32GX4M2A2400C14 (16GB x 2)
ストレージ  ADATA XPG SX8000 256GB (NVMe、M.2)
ビデオカード MSI GeForce 1050Ti 4GB LP
電源装置   玄人志向 KRPW-PT600W/92+ Rev2.0
OS  Windowz7 Professional SP1 x64
UEFI BIOS及び各種ドライバは2017年05月28日時点で最新のもの
UEFI BIOSで省電力設定OFF、Windowzの電力設定はバランス


というわけで、以下はオーバークロック等一切無し(CPU 3.6Ghz、メモリ 2133Mhz)と、オーバークロック時(CPU 3.9Ghz、メモリ 2400Mhz)での比較

最初は消費電力。計測にはワットメーター使用し、アイドル時の最小消費電力とCINEBENCH中の最大消費電力を計測した。

アイドル中とCINEBENCH中の消費電力比較
アイドルCINEBENCH
Normal21W105W
Over Crock24W167W


アイドル時の消費電力は予想外に少なかった。Windowzの省電力機能が効いているのだろうか。

CINEBENCH中の消費電力は定格の場合大体予想通りだったが、オーバークロック時の消費電力は予想以上だった。たった300Mhz増やしただけで1.5倍以上。これでは常用出来たとしても、特別に処理能力を上げたい時以外は定格で使いたくなる。


次はCINEBENCHのスコア。
CINEBENCHはRYZENがIntel製CPUに対し最も有利なスコアを出せるベンチマークの一つで、今回は絶対性能がどうかというよりオーバークロックによるスコアと消費電力の変化を確認するためだけに行った。

1600x_Cine.png

良くわからないが、グラフでは3.9GhzのRYZEN 1600Xが一番速いようだ。
定格動作とオーバークロック時の差は、クロック差を考えても少なすぎる気がする。

スコアそのものに関しては他の同じCINEBENCHの結果と比べると若干低いが、これは電源プロファイルの違いか、メモリのクロックが低い事が理由だと推測する。


次はCINEBENCH中のVRMの温度。

CINEBENCH中のVRMの温度比較
Normal45℃
Over Crock45℃


これは計る意味が無かった。恐らくCINEBENCHが数分と短時間で終わってしまうため、温度上昇が有意な変化量に達する前にCPUが省電力モードになってしまうためだろう。


最後はCPUとはあまり関係が無いが、NVMe SSDの速度と温度について。
なお、コントローラチップには熱拡散と放射冷却機能がある放熱フィルム「クールスタッフ」を貼っている。
速度の計測は定番のCristal Disk Mark、温度は普通にサーミスタの温度計で。

Disk Markの結果は以下のスクリーンショットの通り。

SSD_Score.png

速度についてはおおむね満足。体感ではよくわからないが。

しかし問題は温度だ。
ベンチマークを始めて1分かそこらで60℃近くまで上がる。そしてベンチが終了するとアイドル状態に移行して大体51℃。さらに数分間なにもアクセスが発生しなければ省電力モードになって40℃台前半まで下がる。ある情報サイトでのテストでは65℃以上で安全装置が働き、コントローラの処理速度が落ちて遅くなるようだ。

SX8000_ondo.jpg

恐らく温度が上がりすぎれば読み書きにエラーが発生し、最悪SSDのコントローラがハングアップする事もあり得る。そうなるとWindowzもブルースクリーンが出て落ちる可能性が高いので、 XPG SX8000の熱問題はクールスタッフ貼り付けではなく別の冷却方法を考えて対策しなければならない。

実の所、後継機種か別バージョンか、XPG SX8000にはヒートシンクが追加されたモデルが最近追加されている。
きっと消費者からトラブルの報告が多かったために対策をしたのだろう。


というわけで、性能検証とは名ばかりの簡単な計測はこれで終わり。
RYZENの性能についてまともな検証をやっているところはいくらでもあるので、気になる方はそちらを参照していただきたい。

この検証で出た事実は、やはりRYZENは動作周波数の低い省電力モード時の消費電力は極めて少ないが、定格での動作でも動作周波数が上がるとかなり消費電力が多いという事だ。したがってTDPの低さはフルパワーで動作する時間が短い場合での数値であり、数時間に渡って全力運転するような場合にはTDPで示されたよりもワンランク上の冷却能力が求められ、消費電力についてもこれに応じて上がるので電源も相応の物が必要になるという事だ。

また今回私が行った検証で他のサイトの検証と違うところは、私の環境が省電力を意識した構成になっているところだ。実際パソコン関係の有名情報サイトでの検証は、CPUが同じ1600Xであっても、CPU以外にも高性能な部品を使っているためかアイドルで40W以上、CINEBENCH中で120W以上の消費電力を記録しているものが少なくない。
だから私のように中途半端な構成が狙いの方には参考になると思う。


オーバークロックについては、UEFI BIOSの自動設定によるお手軽オーバークロックがどの程度か調べた記事を見た事が無いので、これはこれで一つの情報として価値があると思いたい。

正直なところ、個人的には1.5倍の消費電力と引き換えの結果がたった300Mhzのオーバークロックならばあまり価値はないと思う。
ただ、自動ではなく人力で設定を詰めていけばもっと低い消費電力に出来るかもしれないし、或いは4Ghz以上のクロックが狙える気がしなくもない。

CPUだけでなくメモリについても同様で、やろうと思えばDDR4 2666くらいなら動いてくれそうな気はするが、電圧を盛ってまでメモリのオーバークロックをしたくないというのが本音である。気が向いたらその内に挑戦するかもしれないが、電圧を盛らなければならないのならばとりあえずDDR4 2400で動けば満足なので、適当に遊んだ後に今の状態へ戻すだろう。

ヘタレと言われてしまえばそれまでだが、私は平時の能力が一定水準を超えていればピーク性能よりも安定性を重視するので、RYZEN 1600Xほどの性能ならば無理せず定格で使いたいと思う。



高速転送と安定性が魅力。最新3D NAND MLC採用NVMe SSD、ADATA「XPG SX8000」
http://www.gdm.or.jp/review/2016/1112/185053



RYZENのPCにWindows7をインストール [ハードウェア]

新しく組んだRYZENのパソコンに対する、Windowz7のインストールが終了した。

インストール先がこれまで経験の無いNVMe SSDなので不安があったが、事前に情報収集を行ったおかげで多少の試行錯誤のみで問題なくインストール出来た。

RYZENとそのチップセットを使ったシステムにWindowz7をインストールするための主な障害は二つ。

一つ目はUSB3.0ドライバがWindowz7に組み込まれていない事。
私の選んだ「PRIME B350-PLUS」には一応キーボードとマウス両方に対応したPS2ポートが一つ付いているため、これを利用すれば一応インストール作業に問題は出ない。しかしPS2のキーボードとマウスがなければ、USB3.0のドライバを組み込まない限りインストールする事が不可能になる。
また、インストールにSATA接続の光学ドライブを使わず、USB接続のデバイスでインストールする場合には当然インストールは不可能だ。

二つ目はNVMe SSDのドライバがWindowz7に組み込まれていない事。
今回私はNVMe SSDにWindowz7をインストールしなければならないので、このドライバが無いとインストーラがNVMe SSDを認識しない。もちろんSATA接続のドライブにインストールするのなら、この問題は発生しない。

尚、これらの問題はWindowz8.1とWindowz10には存在しないため、面倒だと思う人は素直にWindowz7をあきらめるという選択も出来る。

私の場合は問題解決のためにASUSのサイトからダウンロード出来る「ASUS EZInstaller」を使って、あらかじめ必要なドライバを組み込んだWindowz7のインストール用USBメモリを作成し、これでインストールを行った。


asus_ezin.jpg
“Micro$oft NVMe Hotfixをインストールする”のチェックを入れ忘れないこと。


また、これはWindowz7~10まで共通の問題であるのだが、NVMe SSDを起動ディスクとして使う場合にはWindowzをUEFIモードで起動させる必要があるので、OSが64bit版でなければならない(一部特殊な例外もあるらしいが)。うっかり32bit版のWindowzをインストールしてしまわないようにしたい。

さらにUEFIモードでの起動にはGPTでパーティションを切ったドライブにOSをインストールする必要があるので、あらかじめMBRでパーティションを切ったSATA SSDにインストールするような場合には気をつけるべきだ。

ただ今回は最初からNVMe SSDへのインストールなので、必要な条件が揃っていればインストーラが自動的にGPTでパーティションを切ってフォーマットするので気にする必要は無い。


それからUEFIモードでの起動には、マザーボードのUEFI BIOSの設定をUEFIモードでの起動に設定する必要もある。何故なら自作用マザーボードは互換性維持のために標準設定が旧来のBIOSモードでの起動に設定されている場合があり、ここを十分確認しないままインストールするとインストール中の再起動でNVMe SSDに書き込まれたブートローダーが起動できない。
私は設定を一ヶ所見落とした(下記CSMのところ)ためこれに引っ掛かった。

この問題に対処するには、PRIME B350-PLUSの場合以下の設定を変更する。


Advanced modeにて「起動」の設定を

CSM → ストレージデバイスからの起動 を「UEFIドライバーのみ」に変更

セキュアブートメニュー → OSタイプ を「UEFIモード」に変更


設定変更が終わったら、後は作成したNVMe SSDとUSB3.0のドライバ組み込み済みインストールメディアでWindowz7をインストールする。特に問題が出なければ、数年前の標準的な構成のパソコン同様に自動でインストールが進み、途中いくつかの情報を入力するだけでインストールが終わって、デスクトップ画面が表示されるはずだ。


Windowz7のインストール終了後にはWindows updateを行うが、素のWindowz7 SP1から自動でアップデートすると必ずアップデートに失敗するので、あらかじめ必要なものをダウンロードしておき、トラブルが出ないと確認されている順番でインストールした後に自動アップデートを行う。

その手順は以下の通り。(2~5に必要なファイルは先にダウンロードしておく)

1.Windows updateの設定を「更新を確認しない」に設定する。
2.KB3020369 をインストールする。
3.KB3172605 をインストールする。
4.KB3125574 をインストールする。
5.WindowsUpdateAgent-7.6-x64.exe をインストールする。
6.Windows updateの設定を「更新プログラムを確認するが~」に設定する。
7.「推奨される更新プログラムについても~(以下略)」のチェックを外す。
8.Windows updateを実行し、2016年10月以降の「マンスリー品質ロールアップ~」
  が出ていたらチェックを外して非表示にしてからアップデートを実行。
9.何度か繰り返して何も出なくなったら、2016年10月以降のセキュリティのみの
  アップデート全てと、最新のIE11の累積的なセキュリティ更新プログラムを
  Windows update catalogで検索して落とし、インストールする。

  2016年10月以降のセキュリティのみ更新プログラム (2017年2月分は無し)
  2016年10~12月分 kb3192391,kb3197867,kb3205394
  2017年01~05月分 kb3212642,kb4012212,kb4015546,kb4019263
  Internet Explorer 11の累積的なセキュリティ更新プログラム kb4018271

以上。(※悪意あるソフトウェアの削除ツールは任意で最新版を入れること

WindowsUpdateAgent-7.6-x64.exeについては一部のサイトで正常にアップデートが出来ないと報告されているが、少なくとも私は今年3月以降、今回のRYZENのパソコンを含め4台、新規にWindowz7のインストールをしているが、この手順で一度もアップデートに失敗した事はない。

なお、RYZENやIntelの最新システムでは今年3月以降のアップデートを適用すると「アップデート出来ません」とハネられるので、2017年4月以降のセキュリティアップデートはのWindows updateはMicrosoft Update Catalogからダウンロードして手動でアップデートファイルをインストールする必要がある。
RYZENでWindowz7を使う場合にはそれなりの労力が継続的に必要になるという事だ。

それからドライバ関係はAMDの公式サイトから最新のB350用チップセットドライバを、Nvidiaからは最新のGeForce 1050Ti用ドライバをダウンロードしてインストールした。
特にRYZENの場合チップセットが新しいだけに古いドライバにはバグが存在する可能性が高いので、バグの修正が少しでも進んでいると思われる最新のものが現時点では望ましいと思う。もちろん最新のドライバが最悪のバグを抱えている可能性も否定は出来ないので、そこは考慮する必要があるが。

Ryzen_w7pc.png
デバイスドライバまでインストールが終わった後、タスクマネージャを開いた。


こうして、私のRYZEN搭載パソコンはとりあえず使える状態になった。

今後は軽くベンチマークでRYZENの性能を確認しつつ少しばかりのオーバークロックで遊んだ後、現在メインで使うパソコンから環境を移行するために必要なアプリケーションソフトウェアのインストールと、データの移行を行うつもりだ。



参考:


ASUS EZ Installer
https://www.asus.com/jp/Motherboards/PRIME-B350-PLUS/HelpDesk_Download/

UEFI モードまたは従来の BIOS モードでの起動
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/hh825112.aspx

NVMe PCI Express で起動する
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/memory-and-storage/enthusiast-ssds/000005967.html

Windows セットアップ: MBR または GPT パーティション スタイルを使ったインストール
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn336946.aspx

Windows 7 セキュリティのみの品質更新プログラム
http://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=Windows+7+%u30bb%u30ad%u30e5%u30ea%u30c6%u30a3%u306e%u307f%u306e%u54c1%u8cea%u66f4%u65b0%u30d7%u30ed%u30b0%u30e9%u30e0

Internet Explorer 11の累積的なセキュリティ更新プログラム
http://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=Internet+Explorer+11%u306e%u7d2f%u7a4d%u7684%u306a%u30bb%u30ad%u30e5%u30ea%u30c6%u30a3%u66f4%u65b0%u30d7%u30ed%u30b0%u30e9%u30e0

悪意あるソフトウェアの削除ツール
https://www.microsoft.com/ja-jp/safety/pc-security/malware-removal.aspx


VR、ARと来たら今度はMRか [雑談]

近年VR(仮想現実、Virtual Reality)とか、AR(拡張現実、Augmented Reality)なんて言葉がもてはやされ、これらの言葉を肯定する者達はこぞってこうした技術によるバラ色の未来を描いた言葉を吐き続けている。

いいかげん聞き飽きてきた私であるが、それでもこの手の話には興味を引きつけられてしまう。

そんな風にフラフラとこの手の情報を漁っていると、今度は“MR”(複合現実、Merged Reality)などという言葉が出てきた。


HoloLensの父、「MRこそがコンピューターの将来」と語る
http://news.mynavi.jp/articles/2017/05/24/microsoft/


いやね、もうこの手の記事に書いてある“将来の青写真”というものは昭和の時代に21世紀を想像した未来予想図とまったく変わらない、と思うのは私だけだろうか?

まあ、興味を持って話を聞く分には大変面白いのだが。


昔の人が想像した未来予想図に興味がある方は、「未来予想図」というキーワードで画像検索してみるといい。

興味深いイラストが多数見付かるので。


未来予想図
https://duckduckgo.com/?q=%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E4%BA%88%E6%83%B3%E5%9B%B3&t=ffsb&atb=v58-3&iax=1&ia=images


AGESA 1.0.0.6のDDR4 4000対応について考えてみる [ハードウェア]

昨日AMDよりリリースが発表された、RYZEN用の新しいファームウェア「AGESA 1.0.0.6」だが、更新された内容にDDR4メモリの対応周波数が4000Mhzにまで上がっている事が含まれているため、こうまでメモリの動作周波数を上げようとする理由がなんなのか考えてみた。


AMD,Ryzen向け新ファームウェア「AGESA 1.0.0.6」のリリースを発表。メモリはDDR4-4000対応に
http://www.4gamer.net/games/300/G030061/20170526032/


現在AMD製のCPU、RYZENではDDR4 2666まで正式に対応し、オーバークロック動作では最新のアップデート「AGESA 1.0.0.6」を適用する事でDDR4 4000まで対応する事になっているが、DRAMモジュールの標準規格化を担うJEDECで正式に規格化されたDDR4メモリモジュールの最高周波数は2400Mhzで、3200Mhzまで設定されているが、2017年5月現在、実際に市販されるモジュールは2400Mhzが最高で(恐らくIntelのCPUがDDR4 2400までしか対応しないためと、高クロック動作のチップが十分に生産できないためと思われる)、それ以上の周波数で動作するとされるモジュールは規格外のオーバークロックメモリとなる。※2017/5/30 事実と異なる説明を修正。
※オーバークロックメモリとは、高い周波数で動作する事が確認されたDRAMチップを選別し、それを載せたモジュールをさらに選別して高いクロックで動作する“可能性”を持っているとされるメモリモジュール。製造に手間がかかり、また量産出来ないために高価である。

オーバークロックメモリであるので、当然動作周波数が表示通りに出る保証はない。実際DDR4 3200と書かれたモジュールが2400以下でしか動作しないという事も当たり前に起きているし、2666Mhz以上での動作にはDDR4の規格で定められた1.2Vよりも高い電圧をかけなければならない事がほぼ当たり前になっている。

このような状況になっている理由を知るためには、AMD側の都合と、DRAMの標準規格をまとめているJEDECの都合と、両面から考えなければならない。


というわけでまずはAMD側の都合を考えてみよう。

AMDがこんな無謀とも思える「対応メモリーの高クロック化」に突き進むのは、RYZENの仕様に寄るところが大きいと私は考えている。

そのRYZENの仕様というのは「Infinity Fabric」の存在で、この「Infinity Fabric」とはCPU内でデータを相互にやりとりするためのもの。RYZENは4つのCPUコアを一つのモジュールとして二つのモジュールを1コアの中に収めているのだが、この二つのモジュールは「Infinity Fabric」で接続されている。
そしてCPU内にちりばめられた多数のセンサやメインメモリなどの周辺デバイスも「Infinity Fabric」で接続されているし、恐らくAPUではCPUとGPUの接続にも用いられるだろう。

「Infinity Fabric」の詳細はこの記事が詳しい。

西川善司の3DGE:「Ryzen」は何が新しくなったのか。そのマイクロアーキテクチャに迫る
http://www.4gamer.net/games/300/G030061/20170228119/

それゆえに「Infinity Fabric」はRYZENの性能に大きく影響を与え、ある意味ボトルネックになっているのだが、「メモリコントローラの周波数に同期して動く」という仕様になっているために、メインメモリの周波数を上げるとCPUの性能を底上げする事が可能になる、というわけだ。


このような仕様であるため、メモリアクセスのレイテンシを増やして実効転送速度が上がらなくとも、メモリの動作クロックを上げたほうが性能が出る場合があるという現象が起きている。
ただし、レイテンシを増やしすぎるとメモリからのデータ転送を待つ時間が増えるため、メインメモリに頻繁に細切れのアクセスが発生するようなケースでは逆に性能が落ちる可能性があるのだが。

さらに、現在のRYZENは主な顧客が自分で部品を買ってパソコンを組み立てるという、あまり一般的ではないマニア層向けの製品である事も無視出来ない。であれば尚更、性能を追求するためのオーバークロック競争に拍車をかけ、盛り上げる事がAMDにとっての利益に繋がる。
この事もAMDが徒にメインメモリの高クロック化を押し進めようとする理由だと思われる。



さて、次はJEDEC側の都合を考えてみる。

JEDECとしては動くかどうかもわからない高クロックのメモリモジュール規格を標準化など絶対に出来ない。JEDECが規格化するならば、いかなる状況においても規格の範疇における使用であれば規格通りの動作をしなければならないからだ。

例えば店頭で「DDR4 3200」として売っているメモリモジュールは、どのパソコンに取り付けても自動的にその動作周波数で動き、万が一にもエラーなど起こしてはならない。(例外的な相性問題は除外する。)

現時点では、すでに技術的限界に近い(チャネル当り2モジュールというのが厳しいらしい)のがDDR4 2400という事で、実際にRYZENでDDR4 2400での動作がサポートされるのは2本あるメモリチャネルに1本のメモリまで、つまりスロットが4本あっても2本しか使えないし、4つのメモリスロット全てを使う場合、シングルサイドと呼ばれる片面だけにチップの載ったメモリモジュール4枚の場合でDDR4 2133までしかサポートしない。正式にDDR4 2666に対応しているにも関わらず、だ。
もしメインメモリの量を32GBを超えるほど必要とする場合(具体的には48GBか64GBの二通りになるが)、AMDがRYZENで動作すると保証できる動作周波数はDDR4 1866Mhzまで下がってしまう。


こうした事情により、まだしばらくの間はDDR4 2400までが標準規格のモジュールになり、それ以上のクロックで動くものは動作保証の無いオーバークロックメモリという事にするしかない。

この状況は何時動くかはわからないが、少なくともDDR4 2666以上の高クロックでの動作が安定したチップが選別品ではなく量産品として生産されるようになるまでは、標準規格のモジュールは最高の動作クロックがDDR4 2400のままになると思う。



以上の事から、AMDとしては現状のお祭り騒ぎの火に油を注ぎたいという事、そして高クロックメモリ使用によってベンチマークのスコアをもっと上げたいという事、さらに「Infinity Fabric」の仕様上メモリクロックは高いほうが都合が良いので、JEDECはもとよりDRAMメーカーやメモリモジュールメーカーに高クロックメモリの需要というものを見せ付けて、早く標準規格化して欲しいのではないかと私は思った。

そして今までDDR4メモリの市場を引っ張って来たのはDDR4をAMDよりも早く採用したIntelなので、DRAM標準化の主導権を引き寄せてなんとか自分達に有利な状況を作ろうと、そういう活動の一環ではないかとも思われる。


参考:

DDR4のB1ガーバーとは何か
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-03-05

今DDR4メモリーを買うべきか、我慢すべきか
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

今DDR4メモリーを買うべきか その2
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23

RYZENのメモリ周りの問題
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21

RYZENのメモリ周りの問題その2
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-04-09

デュアルランクとか意味不明なんだけど
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13



PRIME B350-PLUS のUEFI BIOSのアップデート他 [ハードウェア]

昨日ASUSのサイトに、PRIME B350-PLUS のUEFI BIOS「0613」がアップロードされていたので、更新してみた。

尚、元々のバージョンは「0606」で、0606~0613までの更新内容は以下の通り。


バージョン 0613
Improve system stability
更新 2017/05/24

バージョン 0609
Improve memory stability
更新 2017/04/25

バージョン 0606
Update AGESA to 1.0.0.4a
更新 2017/04/10


残念ながら本日AMDからリリースが発表されたAGESA 1.0.0.6はまだ適用されていないようだ。

AMD,Ryzen向け新ファームウェア「AGESA 1.0.0.6」のリリースを発表
http://www.4gamer.net/games/300/G030061/20170526032/

しかし0609でメモリの安定性が、0613ではシステムの安定性が改善されているようである。
ASUSはRYZENデビュー後すぐに、更新するとマザーボードが死ぬUEFI BIOSを配布した前科があるためにアップロード直後の更新を入れるには不安が大きいが、万が一UEFI BIOSが壊れても私にはROMライターがあるので更新に踏み切った。


なお、更新には公式サイトからダウンロードしたROMファイルをFAT32のUSB2.0対応USBメモリにコピーして、UEFI BIOSのGUIから EZ Flash3を使って更新した。


結果は更新に成功、再起動も問題なく起動して来た。

この最新UEFI BIOSによるCPUとメモリのオーバークロックがどのように変化したかの検証は出来ないが、更新作業に問題が無ければとりあえずマザーボードが死ぬことは無さそうだ。



次の話題は最新の半導体製造プロセスに関するニュース。

昨日こんな記事が出ていたので読んでみた。

IMECの半導体ロードマップ展望
http://eetimes.jp/ee/articles/1705/24/news048.html


この記事によると、半導体の製造プロセスは現時点で13Å(オングストローム)まで見えているようだ。

Åは現在半導体製造プロセスの最小単位であるnm(ナノメートル)の、ナノの1/10だ。つまり13Åは1.3nmという事になる。14nmのさらに1/10までが可能だと、この記事では言っているのだ。

Å単位まで縮小されるとなると、もう原子数個分という大きさになる。例えば半導体の基板に使われる珪素原子の半径は1.11Åだから、13Åだと珪素原子6個分弱しかない。

私には、そんなんで電流の流れを制御できるのか?という疑問が湧くし、出来たとしてもリーク電流の問題もあるとも思う。私程度の低知能ではまるで想像が付かない世界だから、実際には問題解決の方法などすでに目処が立っているのかもしれない。


また、それ以前にリソグラフィの問題もある。

リソグラフィは光で硬化する樹脂を使い、半導体を構成する各材料の残す部分だけ硬化させて覆い、不要な部分は硬化していない樹脂を洗い流してから腐食液で腐食させて除去するという工程に必要なものだ。

だが、原子数個分の幅で高分子材料である樹脂を適切に硬化させる事など可能なのだろうか。


まあ、素人がどのような心配をした所でどうにかなるものではないが。

2019年に出るという7nmの新型RYZENも、半導体製造プロセスがこの記事の予測通りに進歩するのであれば心配は無用である。



とりあえず動かしてみた [ハードウェア]

昨日CPUヒートシンクが取り付けられるようになった、私のRYZEN。

今日はとりあえずバラックで組んでUEFI BIOSの設定を勉強がてら色々いじってみた。

が、設定の項目が多すぎて理解に時間がかかる。

そしてUEFI BIOSの機能を使ったオーバークロック設定と、標準設定では当然に2133Mhzで起動してくるメモリ周波数の設定を2400Mhzにした結果、こんな状態になった。

1600x_ocb.jpg


UEFI BIOS上の動作とはいえ、CPUが3.9Ghz。
メモリはパッケージの表示通りの2400Mhzでの起動に成功した。

後はこの設定がWindowz上で負荷をかけた状態でも安定するかどうかだなぁ。


まあ、次は設定を全部標準に戻してOSをインストールし、もう一度オーバークロックの設定を試してみるか。


せっせと工作 [ハードウェア]

昨日RYZENのパソコンを組み立てるために必要な部品一式が揃ったが、未だ組み立てには至っていない。

理由はCPUのヒートシンクを取り付けるためのブラケット製作と、マザーボードのVRM周辺の気になる部分を工作したいためだ。


というわけでまずはブラケットを作った。
0.8mmと薄いとはいえ、材料に使ったSUS304の板は硬くて工作するのに難儀した。たったこれだけの物を作るのに図面を引いてから完成まで約5時間とか。手作業はこれだから辛い。

br_001.jpg
製作したブラケット。ブラケットの下はマザーボード裏に付くバックプレート。

コイツを使ってSocket AM4に取り付けが可能となる。

br_002.jpg
組み立ててマザーボードに取り付けた状態。


こんな風に取り付ける。ネジが極度に締め難いが、まあ許容範囲。
ちなみにこのヒートシンク(GELID SlimHero)はTDP136Wまでイケるそうだ。
元々1500Xをちょっぴりオーバークロックのつもりでこれを選んだのだが、これなら1600Xでもなんとか冷やせるだろうか。


次はマザーボードのVRM(Voltage Regulator Module)。元々は初代Pentiumくらいの時代にあったマザーボードとは別基板で製作・実装されたCPU用の電源基板を指した名前だったと思うのだが、今ではマザーボード上に実装されたCPUの電源回路の事をVRMと呼ぶようだ。
すでにモジュールではないので単にVRとかレギュレータとかで良いと思うのだが、慣例でVRMと呼ばれているのだろう。

VRMはCPUに電力を供給するマザーボードの心臓部であるにもかかわらず、一般的なパソコン用マザーボード(オーバークロック用として設計された物を省く)はVRM周りの作りがあまり良くなく、特に安物は色々な意味で余裕が少なめの設計になっている。私が買ったASUS製のPRIME B350-PLUSは安物の部類ではないのだが、FETのヒートシンクを剥がして見た感じ、精々1800XのMAX消費電力+αの120W程度までの定格運用を想定した設計に思える。(根拠がFETの数やフェーズ数のみの、なんとなくの素人判断なので注意。)

vrm_01.jpg
PRIME B350-PLUSのVRM周辺の拡大写真

この程度の作りだとRYZEN7 1700を4Ghz前後で動かそうとした場合、VRM全体の発熱が激増してVRMとしての動作そのものが不安定になりかねないし、仮に問題なく動作したとしてもVRMへの積極的な冷却無しではFETやPWMコントローラが死んだり、マザーボードの基板上に存在するヒートスポットが原因で基板の一部が炭化する事も十分に有り得ると私は思う。(専門家の人はどう思うのか興味がある)

いずれにせよVcoreが4フェーズでFETはHi側が1個、Low側が2個、SoCが2フェーズでHi側2個Low側2個の4+2フェーズという構成は、FETにしろインダクタにしろフェーズ数がこれよりも多い物と比べて素子一個当りに流れる電流が多い分発熱が増える事は間違いないのではなかろうか。

というわけでPRIME B350-PLUSは一応、大メシ食らいのRAYZENをちょっとでもオーバークロックしたい場合にそのような使い方には貧弱なVRMの温度を少しでも下げるためなのか、それとも単に見栄えを良くするためなのか、あっても無くても大差ないかもしれない程度のヒートシンクがFETの上に2個ほど、ちょこんと乗っかっている。

このヒートシンクを強化したい所だが、残念な事にVRMの主な発熱源であるFETとインダクタが発生する熱の大半はマザーボードの基板に移動してしまう。従ってここを強化する事は労力の割りに効果が低いので、ヒートシンクはそのままでトップフローのCPU用ヒートシンクのファンから吹き下ろす風を当てて冷やすのがコストパフォーマンスの面で最も良い。

私はそれに加えてFETとヒートシンクの接触面に注目した。

以下はその接触面の写真だが、見てわかる通りFETとヒートシンクの接触面には熱伝導用の非常に柔らかいパッドが貼られているのだが、これがFETのパッケージ上面の半分程度の面積にしか当っていない。

vrm_02.jpg
ケチらないでもっと大きいサーマルパッドを貼れと言いたい。

これではただでさえ“冷却効果が低いFET上面”に貼ったヒートシンクが、本当にただのお飾りになってしまう。
実際ただのお飾りかもしれないが、ここはもう少し接触面積を増やしてあげて、ただのお飾りから“無いよりはマシな冷却装置”へと昇格させてあげたい。

vrm_03.jpg
このようにサーマルパッドを真ん中で切って、FETとの接触面積が稼げる位置へ移動する。

まあ、こんなものか。

後はさらなる冷却のために、マザーボードの裏からもファンの風を当ててやればいい。(もちろんオーバークロックなど絶対にしないというのであれば、そこまでする必要は無い)
可能であればマザーボード裏面の、CPUとVRM周辺全てをヒートシンクで覆って、これを強制空冷してあげればより良い結果が得られると思うが、私の場合はそこまでする必要もないだろう。


というわけで今回はここまで。

次回このブログに記事を書く時は組み立ててOSのインストールまでやりたいと思っているが、出来るかなぁ・・・



RYZENがやってきた [ハードウェア]

今年3月3日の“ひなまつりの日”に販売が始ったRYZENだが、あれから約2ヶ月半経ってようやく私も購入した。

昨年5月にメインメモリのDDR4モジュールを買ってから約1年。

・・・長かった。

以下はRYZENで組むために買い集めた部品達。

R5_1600_1.jpg
R5_1600_2.jpg
写真に写っている物以外にATX電源もあるのだが、それは先日の雷で故障したモノの代わりに現在使用中。

何故かCPUが6コアのRYZEN5 1600Xになっているが、それは気が変わったからだ。

自分の使い方では4コアで十分!

などとこのブログで書いておきながらなんという事だ。

まあ、これはより高性能なCPUが欲しいという欲求に負けてしまったまでの事。

本当ならば8コアが欲しいというのが本音なのだが・・・


というわけで早速組み立てだ!

と行きたい所だが、CPUのヒートシンクSocket AM3用(ツメではなくネジ留め)なので取り付けが出来ない。

トップフローとロープロファイルにこだわっての選択なのだが、これは最初からブラケットを作り直す前提なのだ。
だからまずはブラケットを作る必要がある。

それ以外にも細々とした気になるところの工作もやっておきたいので、しばらくはおあずけだなぁ。



16コアRyzenは今年夏 [ハードウェア]

今年夏にデスクトップPC用16コア/32スレッドのRYZENが投入されるという。

ウワサを知ってはいたが、ついにAMDから正式発表された。

しかし正直なところこんなに早く出るとは思わなかった。恐らくAMDは事前に準備をしていたものの、Intelの動向を見るためにあえて情報を隠し、RYZEN登場後のIntelがRYZENへの対抗方針がある程度出たタイミングでぶつけて来たのだと思う。


その16コアRYZENであるが、CPUの構成は8コアのダイを二つMCMでパッケージしたもの(或いは四つのダイの内合計16コアを殺した?)で、サーバー向けのCPUと同種の手法だがソケットは別となる。

そしてメモリチャネルが2倍の4chとなるために当然AM4とも違うソケットになり、既存のAM4プラットフォームに載せる事は出来ない。PCI-Expressのレーン数はCPUのダイが増えた分8コアのRYZENより多くなっている。具体的な数はここでは書かないが、いずれにせよメモリや周辺デバイスと接続するインターフェイスの帯域が増えた事により、ZENコアの持つ計算能力は8コア製品よりも効率よく引き出されると思われる。

これらの相乗効果により、Intel製のハイエンドプラットフォームに対抗するにふさわしいスペックを持つようになった事だけは確かだろう。(もちろんスペックだけでなくそのお値段も張り合う事に。)


過去にRYZEN7はIntelのハイエンドプラットフォームであるLGA2011系のシステムとの比較をし、同等以上の性能である事を証明して見せたが、Intelはこれに対し今年中盤までに12コアのCore i9 (Skylake-X)を出す事で対抗するというウワサ話が出ている。この話はIntelの正式発表ではないが、可能性としてはあり得ると思う。だがこの話がデマだったとすると、IntelのRYZEN対抗CPUは10コアのSkylake-Xという事になる。

このSkylake-Xの対抗が16コアRYZENなので、出てくるのが12コアだとしても、少なくとも今後1年程度は性能でIntelを上回る事になるのかもしれない。



それから同じタイミングで、これまで“Raven Ridge”と呼ばれていたGPU統合型のCPUであるAPUが、モバイル向けの「Ryzen Mobile」として今年の第3四半期に出ることが発表された。

主にノート型パソコン用SoCとして設定されているため、APU単体では自作市場には出てこない。だが、CPU組み込み済みのベアボーン(半完成パソコン)としてならば出回る可能性もゼロではないと思う。


統合されるGPUはウワサ通りVEGAと呼ばれるAMDの最新式GPUコアで、CPUコアの性能と共に今までほぼIntel一色だったノートパソコン市場のシェアを一定以上奪う事が出来るスペックである。ただし一般消費者向けのパソコン市場は、パソコンの処理能力がすでに飽和気味であり、一部のハイエンド市場でしか受け入れられない可能性は否定できず、AMDも現在の自作向けRYZENと同様、登場してからしばらくは高性能或いは高級なパソコンを必要とする消費者向けに少数を出荷するに留まる可能性が高いと予想する。

従って少なくとも1年、長ければ今後2年程度は、ノートパソコンに採用されるCPUのシェアはあまり動かないかもしれない。


他にもシェアの動きが長期間抑制される要因として、市場への影響力を駆使した絶大な政治力を持つIntelがどう動くかが問題だ。Intelの動き次第では、実際にパソコンとして組み立て、市場に供給する各メーカーへの採用が阻まれる可能性も少なくはない。(Intelは過去に他社のx86互換CPUを市場から排除するため違法行為を繰り返した過去があり、その結果現在AMDとVIA以外は廃業に追い込まれたりx86互換CPU事業から撤退している)

その辺りをAMDがどのように解決するのか、解決出来なければAMD製CPU全ての行く先に大きく影響するため心配だ。




AMD、16コア/32スレッドの「RYZEN Threadripper」を2017年夏に投入
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/17/076/

FTC、反競争的なビジネス慣習でインテルを提訴
https://japan.cnet.com/article/20405496/

巨人Intelに挑め! ? 最終章:インテルとの法廷闘争、その裏側
http://news.mynavi.jp/series/amd_final/001/



M$社はトマホークを無料で配布しているようなもの [OS]

Microsoft、「WannaCry」攻撃で米連邦政府に苦言
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1705/15/news078.html

この記事によると、Windowzを開発するMicro$oft社はアメリカ政府に対し、Windowzの脆弱性を知った事をMicro$oft社に隠し、その情報を武器として所有していた事に苦言を呈したという。


言い分は理解出来る。
今回の件(WannaCryの世界的蔓延とその被害)は“米国家安全保障局(NSA)から盗まれた情報が元で起きた”からだ。

もし、NSAがWindowzに内包された未知の欠陥について隠す事無くMicro$oft社に報告していれば、今回の問題は起きなかった可能性がある。

それに、そもそも社会インフラとして普及してしまったOSの欠陥を国家が悪用しても良いのか、という話もある。この点に関して私はMicro$oft社に同意する。


しかしだ、そもそもの原因はこのような欠陥商品を売り続けるMicro$oft社にこそあるのではないか?

私は過去から現在まで、Micro$oft社は自社製品の欠陥が元で起きたあらゆる損害に責任があると思う。

Micro$oft社はWindowzでボロ儲け(ビルゲイツの資産を見ると良い)しているのだから、例え会社が潰れようとも損害を賠償しても良いくらいに思っている。


もちろん、現在のコンピュータセキュリティを取り巻く複雑きわまる状況下で、誰か一人を悪役にする事は無意味だ。

コンピュータのセキュリティ問題は、他のあらゆる問題と同様、実際に損害を被った者にも一定の責任がある。特にMicro$oft社は問題への責任の取り方の一つとして、商品の欠陥を修正するプログラムを定期的に提供しているので、その修正プログラムの導入を怠った責任は被害にあったコンピュータの所有者及び管理者にある。
第一この世に欠陥がゼロの物などあり得ない。何か他人が作ったモノを利用するのなら、その欠陥の程度や時と場合によっては利用者の責任において回避する事が絶対に必要なのだ。(例えば包丁やハサミといった刃物は、刃物自体に予測できない事故原因になる瑕疵が存在しない限りケガをしても使用者の責任である、当然刃物の取り扱いに関する知識が無い場合も使用者の責任)

また、当然だがOSの欠陥を悪用した者の責任も同様だ。そもそもOSの欠陥を悪用して金儲けをするなど言語道断。これも他の様々なモノの欠陥に起因する問題と共通する事だ。


欠陥商品を売った者、欠陥商品を利用する者、欠陥商品の欠陥を悪用する者。

以上の事から、この3者の責任は等しいと私は考える。


とはいえこの問題を責任問題にする事では絶対に解決出来ない事は明白だ。

しかし、だからといって3者の負うべき責任が消滅する事もあり得ない。

それはそれ、これはこれ、である。


とにかく、私はMicro$oft社には商品の持つ影響力を考えて開発しろと言いたい。

そしてMicrosoftのブラッド・スミス法務担当上級副社長が言うようにNSAが「トマホークを盗まれたようなもの」ならば、Micro$oft社は「トマホークを無料で配布しているようなもの」だ。

ちなみにWannaCryを利用して攻撃した者は「トマホークを発射した者」、WannaCryに感染した者は「トマホークの着弾地にわざわざ出向いた者」である。



感染した人は泣きたくなるのかもしれない [セキュリティ]

欧州で感染が報告されたのは5月12日、日本では昨日の5月13日土曜日に感染したコンピュータが確認された新しいランサムウェアが、現在日本をはじめ世界中で猛威を振るっているという。

感染経路は今の所よくわからないが、今年4月にも同種のランサムウェアがDropboxのURLを悪用して拡散した例があるらしい。
※5/15追記。感染経路は主にメールのリンクや添付ファイルである模様。


今回影響を受けている環境は、主にWindows Xp、Windows 8、Windows server 2003等の、すでにサポート切れとなったOSが動作しているコンピュータらしいが、該当しないOSを使っているからといって安心は出来ないと思う。
※追記。今年3月から4月のWindows updateを適用していないWindows 7 / 8.1 も影響を受ける。
※5/15修正。


また、このランサムウェアには「WannaCry」という呼び名が付けられているらしい。
このランサムウェアには英国の国営医療機関がやられて機能停止したらしいので、そりゃ泣きたくもなるだろう。


なお、WannaCryについての情報は、現時点(5/14 13:30)であまり情報が出ていない。

情報不足でわからない事が多いが、感染させる手法は何もサポート切れのOSに存在する脆弱性を突く事に限らないので注意しよう。



15日は不審メールに要注意、業務停止の可能性も
http://news.mynavi.jp/articles/2017/05/15/ipa/

5月15日月曜日は特に厳重注意! - ランサムウェア「WannaCrypt」の攻撃
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/14/135/

世界中サイバー攻撃・被害は99の国・地域で7万5000件以上
http://e.jcc.jp/news/12223760/

「NSAのハッキングツール」新たに大量流出 Windowsの脆弱性悪用も
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1704/17/news051.html

マイクロソフト セキュリティ情報 MS17-010 - 緊急
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/security/MS17-010


上海問屋の磁石式充電コネクタの性能とやら [ハードウェア]

新しいデバイスを手に入れると、それに関連する様々な用品が欲しくなる。

VAIO Phone Aを入手後、私がVAIO Phone Aのために最初に買ったモノはスマートフォン用のケース。持ち歩くためにハダカのままポケットに入れた場合色々不便なので、20年ほど前に買った携帯電話脇の下に吊るすショルダーホルスターのハーネスだけを再利用し、VAIO Phone Aを吊るせるよう改造するために買った。

vh_sh.jpg
改造したケースをハーネスに取り付けた状態。ケースはハーネスから外してズボンのベルトに付けたり、ネックストラップで首からブラ下げたりも出来る。


次に欲しいと思ったのがVAIO Phone Aの各部に開いた穴を埋めるプラグ。

特に充電時最大2A程度の大電流が流れるMicro-USBコネクタは、可能なら常にフタをしておきたい。何故なら、脇の下に吊るすとなると汗の蒸発による水蒸気が原因で結露が起きやすいからだ。

が、充電の度にプラグを付け外しするのは面倒だ。
だったらMicro-USBコネクタに刺しっぱなしに出来る“何か”があればいい。

そう考えて検索するとあっさり見付かった。

それは磁石で付け外しが可能なMicro-USBコネクタの付いた充電ケーブルだ。

ただ、最初に見つけたいくつかの製品は、そもそも製品の構造上信頼に値するモノはほぼ望めない状況の中で2000円前後とあまりに高価であった。正直ゴミになる可能性が高い製品に2000円払う気はまったく起きないし、同様にMicro-USBコネクタで電源供給する必要がある他の製品にも使いたいため最低でも3個、予備も考えれば5個欲しい。するとゴミに1万円も払う必要があるので、それらは全て却下された。

そして次に思いついたのが“上海問屋”。
あそこはこのような「中国製のあったら便利」な製品を安価に売りに出す事があるので、“扱っているのであれば、タイミングが悪くなければ購入出来る可能性があると思った”。

結果はビンゴ。


上海問屋では磁石式ケーブルと通常のMicro-USBケーブルを変換する磁石式アダプタの二種類がタイミングよく売られていた。上海問屋ではこういう類の製品が毎日のように新製品として登録されているが、ほとんどがスポット入荷であり、継続して何度も入荷する物は限られる。従って、売り切れると再度入荷する保証は無いのだ。

これらはケーブルが税込み899円、アダプタが税込み399円と安価で、特にデバイスに刺しっぱなしにするコネクタを安価に入手したい私としては、ケーブルに付属するモノと同じコネクタが付属するアダプタが399円で買える事は非常に有難かった。

こうしてケーブルを1本、アダプタを4個注文。合計で送料込み2711円で買う事が出来た。

usb_mag_01.jpg
上海問屋で売られていた“microUSB マグネットケーブル”及び“マグネット式microUSB 変換アダプタ”。
赤いケーブルと温度計は性能を測るために用意したもの。


さて、目的のモノが入手出来た所で、問題となるのは充電のロスがどれだけ増えるかと、磁石式のコネクタ部の発熱がどの程度になるかだ。

usb_mag_03.jpg
磁石式の接続部分。よく見ると、アダプタの方は磁石が二分割なのがわかる。
端子の部分はリバーシブルになるよう工夫されているが、接触面積は極めて小さい。

磁石の吸引力で点接触の端子を押し付ける。こんな接続方法では適切な設計と設計を100%反映した製造がなされなければ接触部の抵抗が多すぎて発熱が激しいシロモノになる事は確実。しかも、モノが中国製である。磁石による接続のコネクタ部だけでなく、その前段部であるケーブルや、Type-Aコネクタだって信用できない。だから私はケーブルを一本しか注文しなかった。


そこで、まずは充電ロスがどれほどのものになるのか試験した。

条件は充電器が5Vで最大2Aというスペックの充電器を用い、負荷となるデバイスには消費電力の多い「Teclast X98 3G」を動作中のまま充電する。この条件であれば充電器の2Aという最大電流を余す事無く引き出せるからだ。(本当ならば最大3A以上の充電器を用意すべき。手持ちに3A充電器はあるが、コネクタがMicro-B直付けなのでしょうがない)
また、電流の計測は充電器の負荷によって電圧が変動したため、いずれも5.2V時の電流値を記録した。


手順は

1.過去にロスが少ないと判明している、信頼性の高いケーブルで何A流れるか計測。
2.“microUSB マグネットケーブル”で何A流れるか計測。
3.信頼性の高いケーブル+“マグネット式microUSB 変換アダプタ”で何A流れるか計測。

である。
充電中の電圧と電流の計測には、USB接続タイプの「RT-USBVAC」という簡易な測定器を用いた。

usb_mag_04.jpg
計測中の図。

そして結果は以下の通り。

信頼性の高いケーブル1.96A
microUSB マグネットケーブル1.44A
信頼性の高いケーブル+アダプタ1.70A


この結果から判明した事は、“microUSB マグネットケーブル”では0.52Aものロスが起きている事と、同じ磁石式コネクタを使う“マグネット式microUSB 変換アダプタ”では0.26Aとケーブルに対し半分のロスしか起きていない事だ。

つまり“microUSB マグネットケーブル”はケーブル本体だけで0.26Aのロスが起きている事になる。

これはもうどちらを使うべきか、迷う必要も無いだろう。


次は最も重要な、磁石式コネクタ部の温度計測。

条件は約1A流れている時と、約2A流れている時のコネクタ表面温度を、充電開始から30分ほど放置した時点で計測。室温は約20度で、コネクタの周囲は放熱を遮るものが一切無い状態で行った。

結果は以下の通り。

usb_mag_06.jpg
usb_mag_05.jpg

計測時電流1.13A35.3℃
計測時電流1.90A48.2℃


室温が約20℃の状態でこれだ。
アルミ製のガワの表面温度でこれなので、コネクタ内部の温度はもっと高いと想像出来る。
また、コネクタの個体差や接触部の状態及び周囲の環境によってはさらに温度が高くなるだろう。

これではコネクタの温度が上がり過ぎないように対策しなければ、最悪の場合コネクタの焼損、場合によっては発火の可能性もゼロではない。


以上の事から、私の主観で「上海問屋の磁石式充電コネクタの性能」とやらは、その形状から想像するよりかは充電ロスと発熱は低いが、何も考えずに使うと事故に繋がる危険性がある、という結論に至った。

耐久性については時間をかけてテストしなければ結論は出ないが、値段を考えれば耐久性は高くないと思われる。特にこの形状は端子の接触部が簡単に汚れるし、その結果電食が起きやすくなるので、もしそのような状態で充電をしたら一発で壊れる事もあり得る。
デバイス側の端子は充電するまえに目視でチェックして、汚れたり濡れている場合はきれいにふき取ってから充電する必要がある。

もしこの記事を見てこのような製品を買う(或いはすでに使用している)人がいたならば、充電中のコネクタ温度と、充電する前の接点の汚れには十分注意を払ってほしいと思う。




Windows 10 Sは成功するだろうか [OS]

Windows XP登場以降、Micro$oftはまったくダメだ。
何がダメかというとOSの開発方針に一貫性が無く、迷走している事だ。

だから「Windowz 10 S」などという中途半端なモノを出す。


Windows 10 SとSurface Laptopを武器に文教市場で反撃の狼煙を上げるMicrosoft
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1058162.html


そもそもOSに様々なアプリケーションを最初から組み込む事に無理がある。

肥大化したOSには、設計上、システム上、プログラム上のバグが山盛りなので、保守管理に多大なコストが必要。


要するに、用途ごと必要な機能のモジュールをユーザー自身が選択して組み込めるようにすれば良いものを、最初から全部突っ込んでいるので非常に使い勝手が悪いのだ。(しかも無駄に高価だ)


こうした欠点は、パーソナルコンピュータのOSで支配的地位を築いていた時はまだ良かった。
競争相手が居ないのだからやりたい放題でも利用者は逃げ場が無かったからだ。

しかし“個人向け携帯型通信装置”スマートフォン)が常にコンピュータネットワークに接続し、一般的なパソコンの用途の内「コミュニケーション、情報検索、音楽と映像の視聴」に十分な性能を持つパソコンとして機能するようになった現在は事情が違う。


こうした中、過去の成功に縛られたままのMicro$oftが、旧態依然とした価値観で物事を判断し続ける限り成功などするはずがない。
今のままでは小さな失敗を繰り返し、その積み重ねが大きな失敗を生む事を繰り返すだけだ。

Windowz10Sはそんな小さな失敗の積み重ねで生まれた、大きな失敗の一つだと私は思う。


ただし、世界的には失敗するだろうが、日本国内は事情が違う。

世界的に見て個人へのデスクトップパソコン(含むノート型)の普及率が低い日本では、老若男女問わずコンピュータへの理解度が低いためどこかで聞きかじった言葉に簡単に踊らされ、全体の方針を決める者はそれが何なのか理解出来ないため失敗し、決められた方針にただ従うだけの者は無駄な労を費やすばかりで、単に消費するだけの者は一定の話題に同調した後は飽きたらポイ。

教育機関へのパソコン導入に関しても例外ではないので、こうした日本人の行動パターンが悪用され、簡単な調査でデタラメな運用計画を立て、どこかの誰かが私腹を肥やすために決めた上位組織からのお達しで全国の学校に大量導入される可能性がある。

そういった可能性を考えると、日本マイクロソフトの営業手腕によっては日本国内だけで一定数の売り上げに成功する可能性が見えてくる。昨今のアメリカの動向を考えれば、そちらからの圧力も無視出来ない事になる可能性もあるので尚更だ。


従って、Windowz 10 Sは日本国内である程度の売り上げには成功するかもしれない。

・・・ただし教育機関への導入後、それが投資に見合った成果を出せるかは不明だが。


そこまでしてストアアプリを売りたいのか
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-08-31-1


VAIO Aのおかげで救われる [ハードウェア]

一昨日、先日購入したVAIO Aを活用する機会があった。

ある親戚の家へ行ったのだが、道を完璧に覚えているつもりがあと少しの所で迷子になった。
いつも使う道を使わず、ちょっと寄り道のつもりで数年間使っていなかった道路を使い遠回りした事が仇となった。

たった数年でまるで違う景色に変わってしまった道中の道路で、過去の記憶にあった道順はまるで役にたたなくなっていたのだが、迷子になったと気付いた時点でVAIO Aを持ってきた事を思い出す。

そしてGoogle MAPで現在位置を確認。

その後難なく目的地に到着。


カーナビ?そんなものは自分の脳みそで十分だ!

と、普段から周囲に言ってはいるが、油断して事前に道順を確認し忘れると、道路工事や再開発などで過去20年以上変化していなかった道が未知の世界に変わっていた、なんてよくある話だ。

特に日本の都市計画は世界的に見て最低のデタラメさなので、大規模な再開発があったり新しい道路が出来たりすると慣れるまで非常に生活し辛い。いや、慣れても、か。
まあ全てがそうではないにしろ、とにかく土地勘があるにもかかわらず道を覚えなおさなければ簡単に迷子になってしまう。

なんにせよ、今回はVAIO Aのおかげで定刻通り目的地に着いて良かった。


Ultra☆ He12 [ハードウェア]


今月26日(米国時間)、HGSTブランドの12TBハードディスク「Ultrastar He12」の量産出荷を開始、というニュースが米Westen Digitalより発表された。

以下はHGSTが公表するスペックより抜粋。


Ultrastar He12

容量    :12TB
プラッタ枚数:8枚
回転数   :7200r.p.m
バッファ  :256MB
転送速度  :最大255MB/s
シークタイム:8.0ms (Read) / 8.6ms (Write)
消費電力  :アイドル 5.3W / 読み書き 7.2W


プラッタ8枚で12TBという事は、プラッタ1枚あたり1.5GBか。
密閉型でない通常のハードディスクで最大容量は現在8TBで、1.33GBのプラッタ6枚が使われている。
これよりもプラッタ容量が多いのか。

まあ、ハードディスクの最大容量が増えた事は素直にうれしく思う。


ところで記事にしていなかったが、最近東芝が通常タイプの8TBハードディスクの販売を始めている。現在秋葉原などで約3万円らしい。

8TBのハードディスクもついに、コストパフォーマンスで私の購入候補に上がるような価格になって来たか。

このような時代が来る事も、Ultrastar He12のようにハイエンドのハードディスク容量が増え続けているおかげである。



WD、容量12TBのヘリウム充填HDDを量産出荷
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1057233.html

HGST Ultrastar He12
http://www.hgst.com/products/hard-drives/ultrastar-he12

2万9800円の安価な8TB HDD「MD05ACA800」が東芝から登場
http://ascii.jp/elem/000/001/472/1472106/



MS-IMEの改悪で感じた事 [OS]

私の2nd PCにはWindowz10の最新版である“Windowz10 Creators Update”がインストールされているが、今日久々に電源を入れてテキストを打ち込んでいると画面中央に“A”とか“あ”とか出る事に気付いた。

出るタイミングが半角/全角キーを押した時だったので、MS-IMEのプロパティを見ると「IME入力モード切替の通知」という項目が追加されていた。

w10cu_ime.png
IME入力モード切替の通知のチェックボックスは標準でチェックが入っている


この機能、人によっては便利なのかもしれない。

しかし私には邪魔でしかなかったので、チェックボックスからチェックを外した。
すると半角/全角の切り替え時、画面中央に“A”とか“あ”は表示されなくなった。


それにしても、人間側でコントロールすれば良い問題についていちいちパソコンにやらせる機能が増える事、増える事。

場合によっては生産性向上に役立つかもしれないが、多くの場合、単に能力の低い(或いは無い)人間を怠けさせるだけの話である。

人間は学ぶ事で生物として生きていくために必要な能力を身に付けていくが、その機会がどんどん減っている昨今、こうしたコンピュータによる余計な機能がこれを加速させていると感じるのは私だけだろうか。

どこかの誰かが思い付きで便利なモノを作るのは良いが、それに慣れてしまうと人間は生物として退化する。

その内にコンピュータを利用する生活に慣れているが、代わりにコンピュータの介助が無ければ生きていけない人ばかりになるのだろうか。



VAIO Phone A なるもの [ハードウェア]

もう二週間ほど前の事になるが、VAIO Phone BizのOSがWindows10 mobileからAndroidに変わった「VAIO Phone A」というスマートフォンが発売された。

ハード的には昨年発売された「VAIO Phone Biz」と同じであるようで、“アルミ削り出しの裏蓋”も同様。

というわけで、昨年からVAIO Phone BizのAndroid版が出たら欲しいと思っていたので買った。

vaio_phone.jpg

・・・嗚呼、ついに私もスマートフォンを持つ事になってしまったか。


見た目は地味そのもので、アルミ削り出しのボディも知らない人から見ればなんてことはない外観である。

だが私にとってはこれが最高。シンプルで金属にしか無い質感が良いのだ。


手に持った感触も、アルミ板をプレスした筐体のスマートフォンとは剛性感が違う。
これと比べるとプラスチック製ボディのスマートフォンなどまるでオモチャだ。


そしてAndroid 6.0.1がほぼ素のままインストールされている所がまた良い。

余計な物が無いという事は実に気分が良いものだ。


使い心地についてはまだわからないが、5.5inchのスマートフォンがこれほど大きく感じるとは思わなかった。これでは上着のポケットに入れるには大きすぎる。

持ち運びには脇の下に吊るすホルスターが欲しいところ。

携帯電話用に使っていた物を改造して使えるだろうか。


後は、電波の感度は悪くない。
中国や台湾企業のOEM製品をローカライズしたわけではない、日本製のスマートフォンだからだろうか。(生産は中国の工場だから日本製とは言えないかもしれないが。)


まあなんにせよ、私にとってロクに使い道のないスマートフォンではあるが、とりあえず所有するという所に意味がある。今のところは。

その内に山で山菜取りの最中、現在位置を確認する以外の使い方も覚えるだろう。



VAIO Phone Bizはきっと売れない
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-02-09



新しいRadeonにガッカリ [ハードウェア]

先日新しいRadeonが発表されたが、その内容にはカッガリだ。

件のブツは“Polaris”と呼ばれるGPUコアを使ったビデオカード群(RX550~RX580)だが、同じGPUコアを使った先代と比べて変わったのは事実上GPUの動作クロックだけであった。


Polarisは出た当時から“微妙”の烙印を押されたGPUだった。

何故なら、同世代のプロセスを使ったGeForceと比べて消費電力あたりの処理能力が著しく低かったからだ。
そしてその直後には、プロセスを改良して消費電力当りの性能が改善された製品が出るという噂が出た。

私はこの噂を信じた。
何故なら、Polarisを製造するGFの14nmはまだ開発途上であり、改良によって問題点を改善する余地は十分あると思ったからだ。


しかし、私の予想は裏切られた。

これはAMDにはまだVegaという本命のGPUの出荷が控えているからだろうか?
それともGFの14nmの開発はそれほど余裕が無いのか?

まあ、GFの余裕が無いのはなんとなくわかるが。


いずれにせよ、消費者の期待は裏切られた。

これが毎度のAMDであると受け入れるか、単にガッカリかは人によるが。

Vegaの出来次第では、今後のAMDの評価にどのような影響が出る事か。


AMDの綱渡り状態はまだ当分続く事だろう。



デュアルランクとか意味不明なんだけど [ハードウェア]

こんな記事がある。

Ryzenで話題になった、メモリの”Rank”って何のこと?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/century_micro/1053794.html


私は過去の記事で、単純にメモリモジュール基板の片面にしかチップが貼ってない“片面実装”をシングルランク、両面に貼ってある“両面実装”をデュアルランク、と説明した。(もちろんこれはデスクトップ向けのモジュールに限る)

その根拠は実際の製品がそうなっているからで、チップの構成次第では両面実装でもシングルランクであるモジュールが存在する可能性を否定は出来ない。


そもそも“ランク”という言葉が悪い。
素人にはなんの事かイメージ出来ないからだ。

先に挙げた記事も、メモリモジュールメーカーの視点で専門用語を使い説明しているおかげで、予備知識が無い人にはちんぷんかんぷんだと思う。(私は予備知識があるにも関わらず理解が浅いためにちんぷんかんぷんである)

だから、DDR4メモリモジュールの“ランク”にまつわる諸問題について、素人がパソコンを自分で組み立てる上で必要な理解の仕方をここに書こうと思う。


まず知らなければいけない事は、現在主流のDDR4 SDRAMがCPUに内蔵されたメモリコントローラからどういう経路で接続されているのか。
それは以下の図を見て欲しい。

DDR4_mem1.png

一般的なパソコン用メモリは、このように一本の配線にメモリモジュールが数珠つなぎになっている。(モジュール内では直列ではなく分岐だし、スロットも実際にはA1-B1-A2-B2という並び方をしているが)

図中の赤枠、A1~B2はメモリスロットで、その赤枠中にある表や裏と書かれた黒枠はモジュールの表裏に貼り付けられたメモリチップである。

このような構造なので、右側のスロットに行くほど読み書き信号は乱れやすい。配線の長さが増えるからだ。

一方でメモリスロットを4本持つマザーボードの説明では、4本の内2本しか使わない場合に一番後ろのスロット(A2とB2)にメモリモジュールを刺す事を推奨している。
これは何故かと言うと、配線の都合上A1とB1スロットだけ使う場合、メモリモジュールの存在しないA2とB2スロットにまで信号が行ってしまうので、その結果配線の終端で信号が反射するので信号を乱す事になる。信号が乱れればCPUが信号を正確に送受信する事が難しくなるので、一番後ろのスロットにメモリモジュールを刺してください、という事になるのだ。

こうした事情を理解するには、以下の図を見るとわかりやすい。

DDR4_mem2.jpg

これはJEDECの公表している資料にある図で、メモリの配線を表している。
図によるとDDR1の時はマザーボード上最後列のスロットの後ろに終端抵抗があるので、後ろのスロットが空いていても信号が反射しないが、DDR2以降の場合マザーボード上の終端抵抗が規格上不要になっているため、終端抵抗を持たないマザーボードは最後列スロットにメモリモジュールが無いと信号の反射が起きる事がわかる。(DDR2以降はメモリモジュール上に終端抵抗を持つ仕様となっている。)

メモリモジュールのランクについては、横に這っている配線から立ち上がった先のメモリモジュールに該当する部分に注目すると、モジュール内で配線が分岐している事がわかる。
このモジュール当り二つあるDRAMが分岐せずに1つの場合シングルランク、分岐して二つになっているモジュールがデュアルランクという事になる。

また、「DDR2/3 or 4」の“DRAM”と書かれた部分の上には“ODT”という文字と“ギザギザの記号”が書かれているが、どちらも終端抵抗の事である。(ODTはチップ内臓の高機能な終端抵抗。)


こうした事情により、メモリモジュールは1ch当り1本の方が性能を出しやすいし、メモリモジュール内の配線が単純であるシングルランクの方が性能を出しやすい、というわけだ。


私は単純に片面8枚であればシングルランクという理解の仕方をしていたが、実際はそうとは限らない。極論すればチップの仕様によって片面8枚であってもデュアルランク、両面16枚でもシングルランクのモジュールは作れるからだ。

なので、単に片面か両面かではなく、メモリモジュールの仕様を確認してから選んだ方が利口である事は間違いない。



参考資料:

次世代ハイエンドDRAM「DDR4」の全貌
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/589890.html

前田真一の最新実装技術あれこれ塾:第1回 DDR4
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1211/09/news014.html



RYZENのメモリ周りの問題その2 [ハードウェア]

明後日に4月11日を控え、RYZEN 5の発売が待ち遠しい今日この頃。

あれからAMDよりメモリーのオーバークロック対策を施したUEFIの配布が5月にあると発表があったり、発売から1ヶ月の間に各マザーボードメーカーもUEFIの改良やバグ取りを行って今まで相性問題が出ていたメモリモジュールが使えるようになったりと、RYZENのメモリ周りに関する問題は改善しつつある。


私の場合昨年5月にあらかじめメモリモジュールを買っていたため、この問題は非常に関心の高い問題であった。

心配になってマザーボードメーカーの出している動作検証リストから、自分の所有するモジュール型番を探したりもした。幸いASUSのマザーボードでは動作確認が取れているので、ASUSのマザーボードが購入の第一候補になりそうだ。


ところでこの問題について、最近気付いた事がある。

拙速とも言える、客層を限定したRYZENの販売開始。

そして様々な問題が発覚していく。

狙いの客層は遊びでパソコンを組み立て、本来の設定された動作よりも高性能な動作を志向するオーバークロッカーがメインターゲットであるから、何か問題が起きたとしても彼らにとっては遊びの要素が増えるだけの事に過ぎない。

問題が起きるから、彼らは検証のために同じ部品の、メーカー違いや型番違いをどんどん買っていく。場合によってはCPUのRYZENも複数買う。


・・・あれ? なんだこの状況は。


私の感覚では、客をモルモット扱い(実際実験台になるのはパソコンの部品だが、金を出すのは客だ)にしているようにしか見えない。

メモリモジュールの相性問題に関しても、本来ならばメーカーがきっちりバグ取りを終わらせてから販売する責任があるので、もしそのような問題が客の買った後に出たのなら、本来ならクレーム対象になる問題のはずである。

少なくとも、一般的なCPUを買う顧客であるパソコンメーカーから見れば、部品調達に大幅な制限がかかる相性問題はコスト増に繋がるため、出来るだけそういう問題が出ない製品が欲しいはず。

では、趣味でパソコンを組み立てている一般の消費者は?


まあ、昔からパソコンを自作するという行為はかなりリスクの高いものだった。
(その代わり、リターンは今と比べ物にならないほど大きかったが)

私が初めてパソコンを自分で組み立てた当時は、自作というジャンルの黎明期が終わった頃なのでそれ以前からやっていた人からすれば全然ぬるま湯だったかもしれない。しかしその当時でも相性問題は頻発していたし、相性問題以前に16個あるCPUの割り込みタイミング(INTとかIRQと呼ばれていた)の内、システムに予約されていない数個を各種デバイスで取り合うため、その割り当てを手動で調整する必要があり(その頃PnPなんて出始めであまり機能していなかった)、デバイスごと使用出来る割り込みが決まっていたため、ジグソーパズルのピースを市販されているモノの中から自分で探して合う合わないというような作業をやっていた。

メモリモジュールにしても、72Pin SIMという形態のモジュールがFP DRAMからEDO DRAMに切り替わり、そこへ新しいSDRAMを搭載した168Pin DIMMなんてものが出始めた頃で、しかも新旧のマザーボードでSIMとDIMMのスロットが混載されていたりいなかったり、モジュールの最大搭載メモリ容量(チップ辺りなんM bitとか)の対応出来る上限が違ったりと、かなり複雑なうえにその上で相性問題が存在した。
・・・友人のために高価なメモリモジュールを秋葉原で買ってきたは良いが、相性問題で動作せず、動作確認が取れている自分が使用中の物を渡したのも良い思い出だ。(幸い、買ったモジュールは自分の環境で動作したが)

そういう事を考えると、今回のRYZENのメモリ周りの問題など昔から当たり前にあった問題であるとも言える。(しかも部品代は今よりもずっと高かった)

が、論点はそこではない。

そんな一般の消費者にとって参入障壁の高い当時の自作業界ではあったが、同様の部品構成で問題なく動作するパソコンが各メーカーから平行して販売されていたのだ。そしてそれは現在に至るまで変わらない常識だったはず。

ところがRYZENの場合、一般のパソコンメーカーからは一切販売はない。
自作部品を売るような小売店が、自社ブランドで販売するBTOと呼ばれる完成品の自作パソコン以外、RYZENの完成したパソコンを買う選択肢は存在しないのだ。


メーカーが自社製品の開発を、客を使って、客の金で堂々と行う。
(この例ではAMDとマザーボードメーカーとUEFIメーカーか?)


そういう状況が、21世紀に入って非常に目立つようになったが。

これもそんな状況の一つに見えてならない。



RYZENのメモリ周りの問題
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21

今DDR4メモリーを買うべきか その2
http://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23



前の30件 | -
メッセージを送る