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XFMEXPRESSとは? [SSD]


気付いたら、なにやら新しいSSDのフォームファクタが出来ていた。

その名も「XFMEXPRESS」。


SSDの外見は、大きさと共にMicro SDカードに近い。

端子はカードの一方の面に39個(13x3列)の接触面が出ている。

Toshiba_XFMEXPRESS.png

インターフェイスはPCIe 3.0或いは4.0の4レーン。

つまり、NVMe対応SSDをMicro DSカードサイズにまで小型化したモノだと言える。(当然に、コレをそのままNVMeの配線に接続しても動作はしないはず。)


コンピュータへの接続には、専用にデザインされた保持器(コネクタ内蔵)を利用する。

保持器はかつてガラケー等のSIM用に利用されていた、ステンレス薄板製の保持器とほぼ同等の仕組みでカードの付け外しを行う。

具体的には、カードを保持する部品をスライドさせると起立させる事が出来、そこへカードを差し込んだ後、逆の手順で元に戻すと固定される仕組みだ。

JAE_XFMEXPRESS.png
東芝メモリと日本航空電子工業(JAE)の共同開発による、保持器の動作。画像はGIGAZINEの記事より拝借。


気になるのは熱問題。

現在NVMe SSDは熱問題に苦しめられる事が多い。

特に、ただでさえ小さな基盤のM.2フォームファクタの場合、ヒートシンク無しでは本来の性能が出せない製品も少なくはない状況で、それよりもはるかに小さなMicro SDカードサイズの「XFMEXPRESS」SSDは、一体どうやって性能と熱のバランスを取るのだろう。

考えられるのは、コントローラの機能をカード側は最小限にして、消費電力が多い機能を外部に出す方法だ。

こうすれば熱問題を回避出来る可能性がある。

しかも、このような形態である以上はカードの位置をコントローラの直近に置く事が前提であると考えられる。

例えば「XFMEXPRESS」コントローラを内蔵したCPUから最大10ミリ程度離れた場所に、コネクターを備えた保持器をハンダ付けする。すると、配線の距離が短い分信号のやり取りに必要な電力が最小限となり、カード側の消費電力は現在一般的なパソコン用NVMe SSDの1/10以下の消費電力にまで落すことも可能かもしれない。


また、容量に関してはMicro SDカードが現在最大で1TBの物が出ているため、その程度までであれば今すぐ製造可能だろう。

ターゲットがモバイル向けなので、1TBもあれば容量は十分だと思う。


まあモバイル向けという事で、絶対性能はM.2フォームファクタのNVMe SSDより劣ると思う。

とはいえ、これだけ小型で省電力なSSDはデスクトップ向けとしても魅力がある。

私としてはこのSSDを、デスクトップ用でも使ってみたいと思う。


参考:

東芝がPCIe4.0対応・新フォームファクタ&コネクタ採用のNVMeストレージ「XFMEXPRESS」を発表
https://gigazine.net/news/20190807-toshiba-xfmexpress/

新しいリムーバブルNVMeメモリデバイスの開発について
https://business.toshiba-memory.com/ja-jp/company/news/news-topics/2019/08/corporate-20190807-1.html

Toshiba Memory Unveils New Technology for Removable NVMe Memory Devices with Groundbreaking Size to Performance Ratio
https://business.toshiba-memory.com/en-us/company/tma/news/2019/08/ssd-20190806-1.html

東芝メモリ株式会社:新しいリムーバブルNVMe?メモリデバイスの開発について
https://www.jiji.com/jc/article?k=20190806006027&g=bw




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やはりQLCは避けるべき [SSD]

一昨日知人からSONY製の液晶ディスプレイ一体型パソコンの修理を頼まれた。

故障の原因はハードディスクだったので交換する事になったのだが、OSが入るメインストレージにいまさらハードディスクを選ぶ事はありえない。

そこでSSDをとなったが、元のハードディスク容量が2TBで、700GBほど使っているので必然的に1TBクラスのSSDを入れる事になった(内蔵ストレージにSSDとHDD両方入れるのは無理だった)


そういうったわけでちょうど良いSSDを探していたところ、ADATAからいつの間にかQLCのSSDが出ていて興味を持った。

そのSSDは「SU630」という型番で、今回初めて見るものだ。
一方購入の候補に挙がったのはSU650。こちらは昨年から何度か購入しているもので、一定の信頼がおけるもの。

この二つ、ADATAのSSDの中ではエントリーモデルとして最も安価な機種になるが、TLCとQLCの違いがどうスペックに反映されているのか比べてみるとこんな感じだ。

平均故障間隔 保証 TBW
SU650(960GB) 200万時間 3年 560TB
SU630(960GB) 150万時間 2年 200TB

※TBWとは、室温30℃で1年間通電がなくともデータが消えないと保証出来る書き込み量。

TLCからQLCになっただけでコレだ。
もちろん、これだけ性能が落ちた分価格が安ければ納得がいくが、今の所同じかやや高いのではとても選択肢に入らない。

ましてや、メインストレージであり、これ一つで全てを賄うとなれば尚更である。

というワケで、よほど価格差が無い限りQLCは避けるべきというのが私の結論だ。

もちろん、そんな事気にしないというのであれば別だが。


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所詮QLCはQLCでしかないがほとんどの用途では有用 [SSD]

最近出回り始めたQLC NandのSSD。
すでに結論は出ているが、新たにQLCなSSDをテストした記事が出ていた。


QLC SSDを採用した大容量SSDの性能は? 「Samsung SSD 860 QVO」徹底検証
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1811/29/news141.html


これまで三星のQLC SSDが出ている事に気付かなかったが、まァ当然出ているわけで、その貴重なテストレポートとなる。

この記事で意外だったのはSLCキャッシュの構成。

前回ネタにした「Crucial P1」の場合、1TBモデルで最大140GBものSLC領域が確保されていたのに対し、三星の860 QVOは最大42GBとかなり少ないのだ。
そしてそれにも関わらず、耐久性の指標は360TBWと「Crucial P1」の200TBWに対し180%もある。

TBWの基準自体があいまいなので絶対的な指標とは言えないが、この差は誇張にしても大きすぎる。


この耐久性の差は何故なのかと思ったが、SLCキャッシュ外への書き込み速度を見て納得した。

860 QVOは1TBモデルで80MB/s、2TB以上で160MB/sとシーケンシャル書き込みが極端に遅いのだ。

一般論としてNAND Flashのセルは書き込み速度を上げると劣化が早まる。

つまり、劣化を抑えたければ書き込み速度下げれば良い。


この数値は記事の後半にあるベンチマークでもはっきり出ている。
わかりやすいのはファイルコピー時間のテストで、データサイズが96GB以降目に見えて遅くなっているのだ。

とはいえ、一般的な使い方、要はネットを見たり動画や音楽の視聴、そしてSNSなどを使ったコミュニケーションに多少の文書作成などであれば、書き込み速度の落ち込みなど出るはずが無い。

最も需要として大きな顧客層で使ってもらうならば、性能のバランスとしては良いと言える。


一方で最大4TBのモデルが用意される860 QVOは、一部のヘビーユーザーにとって非常に欲しいSSDとなるかもしれない。大容量のSSDが安価に買えるなら、そうおいう向きに需要がそれなりにある事は容易に想像がつく。

が、大量のデータを一気にコピーする時には思ったよりずっと多くの時間がかかる事を実感するだろう。
速度的には比較的低速なハードディスクと変わらないため、これではSSDにした意味が無いと思うかもしれない。


というワケで、大容量のSSDが安価になるQLC Nand採用SSDの一つである三星の「860 QVO」。
カタログスペックは恐らくSLCキャッシュへの読み書き速度しか載らないかもしれないので、それを鵜呑みにすると失敗するかもしれない。

一般的な用途ではQLCのデメリットを実感する可能性は低いとはいえ、そこはやはり所詮QLCというワケであった。




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QLC NAND のSSDについて考える [SSD]

先日私は以下の記事を書いた。

QLC NANDのSSD「Crucial P1」
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-10-28

記事のネタになった「Crucial P1」は非常に大容量のSLCキャッシュを持っているが、当初私はこのSLCキャッシュが全て、或いは一部が専用の領域として確保され、表記された容量よりもキャッシュ分多いQLC NANDが搭載されていると考えていた。

何故そう考えたかというと、そうでなければユーザー領域、つまり実際にデータを保存出来る領域がSLCキャッシュとして取られてしまう分、減ってしまうからだ。

しかし実際はそうではなく、現在QLC NANDを採用するSSDのSLCキャッシュ技術はユーザー領域の一部をSLCモードで動作させるそうだ。
つまり、Crucial P1の容量が1TBならば、SLC領域が140GBなので単純計算でQLCの場合の4倍、560GBがSLCキャッシュとして取られている事になる。(もしかするとそれとは真逆に全容量の内140GB分がSLCキャッシュで、SLC動作させると35GBのキャッシュになるのかもしれないが)

この情報の出所はこちらだ。

QLC技術を駆使する超大容量NANDフラッシュの性能向上技術
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1150305.html


この記事にはSLCキャッシュ技術について書かれた部分があり、それによるとSLCキャッシュ技術は第0世代~第二世代まであって、QLC NANDを採用したSSDの場合は第一世代と第二世代が使われているらしい。

第一世代はSLCキャッシュとして取られた領域にまでファイルの書き込みが必要となった場合、いきなりSLCバッファがゼロ又は極めて少量になるという。

こうなるとSSDへの書き込み性能と耐久性は一気に下がる事になる。そこで第二世代では、QLC領域として確保された容量が減るに従い、段階的にSLC領域を減らしていく方式になったようだ。

ただしこれは性能低下が一気に来るか、徐々に来るかの違いでしかない。どちらの世代が使われるにしろ、SLCキャッシュが減ったりゼロになれば、性能と寿命がいきなり落ちる事になるだろう。

要は、SLCキャッシュが無くなって性能の低下を感じたら、SSDをより大きな容量のモノに買い替えが必要なサインだと思う必要があるという事だ。


いずれにせよ、「Crucial P1」の場合全容量の半分前後が、新品の状態ではSLCキャッシュとして取られている。

耐久性の目安であるTBWが500GBで100TBW、1TBで200TBWというのは、このSLCキャッシュが生きている状態で利用されている事が前提であるはずで、容量の半分以上を使ってしまった状態のまま使い続ければ寿命の残りは加速度的に減っていく事は間違いない。

この事は今後出てくるQLC NANDを採用したSSD全てに共通する事実だと私は考える。

「Crucial P1」よりも先に販売が始まった、Intel製「660p」の場合でも1TBモデルの書き込み寿命は200TBWである事から、SLCキャッシュが表記された容量の一部を使うSSDであれば例外なく、同様の傾向である事は確実だ。

このIntel「660p」の場合、書き換え回数が約200回となっているが、これもSLCキャッシュを最大限利用した場合の書き換え回数であると思われる。従ってIntelとMicronがSSDに採用するQLC NAND(IMFT製)は、QLCとして動作させた場合100回未満、二桁の書き換え回数しか望めないと予想する。

QLCは二桁というのは思ったよりも少ないが、同じIntel製のSSD(600p)はTLCで576回という数字が出ているので、この予想は間違っていないだろう。


ちなみに、SSDの耐久性指標である“TBW”というのはJEDECの規格で決まったデータ保持時間をクリア出来る条件を満たす上限の書き込み容量であり、一般向けとサーバー向け(エンタープライズとか業務用と言われる)で設定されたデータ保持時間が違う。

このデータ保持時間は、一般向けは保管温度が30℃で1年、サーバー向けが40℃で3ヶ月と決まっている。
NAND Flashのデータ保持時間はデバイスの温度が低いほど長く、高いほど短いという特性を持っている。日本の平均気温を考えるともう少し寿命が延びそうであるが、一方で書き込み時の温度が低いほど劣化が早まるというデータもあり、一概には言えないかもしれない。(まあ夏場気温が35℃を上回る時もあるので、夏になったらいきなりSSDに保存してあったデータが壊れた、という事が起きそうだが)


少し脱線したので、QLC NANDのSSDに話を戻す。

以上の事から、QLC NANDの性能は過去に予想された通りのものだったと理解出来た。

そしてSSDとしての速度と信頼性の確保には、QLC NANDの一部をSLCキャッシュとして動作させる事で補っている事も確実だ。

さらに、SLCキャッシュは新品のときSSD全体の容量の内かなりの割合、恐らく半分前後が割り当てられる事が普通になりそうで、その関係もあって500GB未満の容量でQLC NANDを採用するSSDはあまり出ないかもしれない。

このため、大容量であるゆえに容量の半分以上データが書き込まれるケースはそれほど多くは無いと思われる。

この場合速度と寿命はMLCやTLC採用のSSDとそん色ないものが得られると予想される。


以上の事から簡単にまとめると、QLC NANDを採用したSSDは、容量の半分以下で使う場合に限り性能と寿命が期待値となるので、あまりたくさん書き込みすぎないほうが良い、という事になる。今の所は。今後別のメーカー製QLC NANDを使った新しいSSDの登場によって話がまったく変わる可能性を考える必要がある。

ノートパソコン等で複数のストレージを内蔵できない場合、大容量のSSD一台で全てを賄う事が多いだろうが、調子に乗ってデータを溜め込むと悲惨な目に遭う可能性があるという事だ。

またOSのゴミファイルやダウンロードしたファイルなどが溜まって数百GBという容量にまで膨らむ人も中には居るので、そういう人はこまめに不要なファイルの削除や整理が必要になるだろう。気付いたらSSDの容量が残り1割を切っていた、という事になるような場合、QLC NAND採用SSDは書き込み速度低下を起すはずだから、その時は消えたら困るデータを一旦全てバックアップしてから不要なファイルを全て削除し、可能ならSSDの健康状態を「CrystalDiskInfo」等で確認した方がいい。

もしSMARTの値に異常があったら即座にSSDを交換した方が良いのは言うまでもない。



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QLC NAND 採用のSSDに搭載されるSLCキャッシュの使い道 [SSD]


この記事は先ほど投稿した記事の補足である。

SLCキャッシュというものはMLC NANDの時代から採用される技術で、SSDに搭載されるNAND Flashの一部をSLC動作させ、MLC以降で起きる書き込み速度と寿命の低下をある程度隠蔽させるものである。

今回「Crucial P1」はSLCキャッシュだけでちょっとしたSSDの容量ともいえる大容量、500GBモデルで55GB、1TBモデルで140GBという容量を備えているが、このキャッシュは単なる「書き込みバッファ」としてだけ利用されているわけではないと私は考えている。

どういう事かと言うと、特に書き換え頻度が高いファイルの保存場所になっている、という事だ。

一旦書き込まれたら書き換えが発生しないファイルはQLCの部分に書き込み、書き換え頻度が高いファイルのみSLCキャッシュに置き、書き換えはSLC領域の中でのみ完結させる。

そうすればQLC領域の消耗はかなり抑えられるからだ。

そう考えなければ、キャッシュと言うには大きすぎるSLC領域が確保されている理由の説明が付かない。


先の記事にも書いた通り、今後はこのSLC領域がもっと少ないSSDが当たり前に出回るようになるだろう。

そういうモノはそれに相応しい使い方があるので、それに合致する限りなんの問題もない。

ただ使い方は人それぞれであり、自分の使い方を理解し、かつSSDの製品ごとに設定された使い方を理解できなければ、後で痛い目を見る事になるわけだ。


SSDを買う時、とりあえず値段と容量だけ見て買えば良い時代は間もなく終わりを告げるだろう(尤もそうならない可能性もゼロではないが)。

そしてNAND FlashがSSDのデータ保存デバイスとして利用される日が終わるまで、使い方を考えながら製品を選ばなければならない時代が続く事になると私は考えている。



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QLC NANDのSSD「Crucial P1」 [SSD]

昨日、MicronのCrucialブランドからQLC NANDを採用したNVMe SSD「Crucial P1」が販売開始された。

Crucial P1は最低容量が500GBから、その上が1TBと2TBの3種販売される予定で、今回販売開始されたのは2TBを省く2種。

以前私は「QLCって本当に大丈夫なのか」という記事を書いたが、スペックを読む限り懸念は現実のものとなったようだ。


その具体的な例の一つは、耐久性が500GBでたったの100TBW、1TBで200TBWである事。
これは500GB以下のモデル、240GBとか120GB等が存在しない理由でもある。
要するに小細工で寿命の減少を多少緩和させたとしても、根本的な書き換え回数の上限が増えるわけでは無いので、容量でそれを補う設計であるという事だ。

そして一般的な使い方とされるデータでは、SSDに保存されるファイルの8割が一旦書き込まれるとほとんど書き換えられないというものがあって、書き換えが頻繁に行われるのが残りの2割ならば500GBの容量で100TBWもあれば耐久性が低い問題は十分に隠蔽可能であるという事か(後述のSLCキャッシュがTBW確保にかなり効いている事も確実であると思われる)。

ちなみに同じCrucialのMX300は525GBで160TBW。差は歴然である。


そして二つ目、読み書きの性能が落ちるという事。
500GBで90000IOPSの読み込み速度はMX300の525GBで92000IOPSなので、若干落ちる位か。
一方書き込みは220000IOPSとなっているが、これはSLCキャッシュの効果である。驚くことにCrucial P1は500GBモデルで55GB、1TBモデルで140GBものSLCキャッシュを持つという。要はこのキャッシュがあふれない限り、SLCキャッシュの持つIOPSが保証されるという事だ。
※2018/11/02追記、SLCキャッシュはQLC NANDの一部をSLCモードで動作させているため、SLCキャッシュの容量分QLC領域は減る。例えば1TBで140GBならばQLC領域の半分以上、560GB分がSLCキャッシュとして取られる。なお、QLC領域の減少と共にSLCキャッシュは減っていく(これは第二世代の場合。第一世代と呼ばれるSLCキャッシュ技術の場合、設定されたキャッシュはQLC領域がSLC領域と重複する段階でいきなりゼロになって大幅な書き込み性能低下を起す)ので、1TB全てがデータで埋まるとSLCキャッシュもゼロになる。

なので、もしCrucial P1に引越しで他のSSDやHDDから大量に書き込みが行われた場合、SMR採用HDDのようにある段階から急激に書き込み速度が落ちる可能性がある。

とはいえキャッシュは55GBや140GBの容量である。
HDDやSSDのクローンのような、数十万の細かいファイルを100GB以上書き込むようなケース以外でそんな事は起きない。

本質的な問題は解決されていないとはいえ、今までの感覚ではありえない大容量キャッシュのおかげで書き込み性能は担保されていると言えるだろう。


最後は価格について。

初物という事もあってそれほど安くはない。NVMe対応の中では安価であるとはいえ、TLCの他製品と比べ1割強安いだけならばQLCを選ぶ理由として弱い。

とはいえ値下がりするのは時間の問題だ。数ヵ月後にどの程度まで下がるか見守る必要はあると思う。

またSLCキャッシュの容量の大きさも、価格に少なくない影響を与えていると考えられる。 Crucial P1はQLC採用SSDとして出始めという事もあって、SLCキャッシュの量から想像するにコストを惜しまずQLCのデメリットを徹底的に潰しているように見えるが、そこまでしなければQLCなど危なくて使えないという事かもしれない。2018/11/02削除。この部分はSLCキャッシュが表記された容量のQLC領域とは別に存在する事を前提で書いたが、実際の製品では1TBのSSDなら1TBのQLC領域の一部がSLCモードで動作しているだけだった。



以上の事から私は、「Crucial P1」はQLCだからといって耐久性を心配する必要は無い、と考える。

これはメーカーが5年保証を付けている以上、相当な自信があるはずと思う。

・・・一定の条件下であれば、という条件付だが。

そして今後出てくる他のQLC SSDはSLCキャッシュが必ず備わっているはずだが、その容量に注意を払うべきだ(もちろんスペックシートに記載されていないケースがほとんどだろうと思われるが)。 この容量が少なければ少ないほど性能と寿命が落ちる。 特に寿命と信頼性を気にする人は、この辺り今まで以上に情報収集する必要があるだろう。
2018/11/02削除。この部分はSLCキャッシュが表記された容量のQLC領域とは別に存在する事を前提で書いたが、実際の製品では1TBのSSDなら1TBのQLC領域の一部がSLCモードで動作しているだけだった。


さて、今後NAND Flashを使ったSSDはどんな風に変わっていくのだろうか。

ハードディスクも一般向けにSMRが採用され始め、SMRにしろQLC NANDにしろ、かつては考えにくかったモノが一般向けに使われ始めている。

QLC NANDに限っては3年程度で確実に定期交換される業務用途ならばともかく、ヘタをすると10年位使いっぱなしの一般向けに使われる場合にはデータの保全性にどうしても疑問符が付く。

まあ、一般向けのほとんどはある日突然データが消えても、データ消失の直接被害に遭う人の気持ちはともかく業界としては大した問題にはならない事ははっきりしている。今時ユーザーファイルはクラウドストレージに同期している、なんていうのが普通になりつつあるという事情もあるのだろうが。


今の時代、かつての日本製工業製品のような過剰品質であらゆるケースでの信頼性確保など、とうの昔に時代遅れであり、特にIT関連製品は精々2~3年で使い捨てというのが当たり前になりつつある。

パソコン用のストレージも今後はこうした動きが加速していく事は明白で、こうした状況が不都合である一部の限られた人は、自分自身で対応策を確保するしかない。


Micron、“QLC NAND”搭載のNVMe SSD「Crucial P1」国内発売
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1149902.html

11/07 追記
こちらのレビューでも私と同じ結論が出ている。
また、QLC NANDのコントローラはTLCやMLCのものより計算が多く負荷が高くなりやすい傾向であるためか、SSDに負荷がかかった時の発熱がかなり多いようだ。

Micronが投入したQLC NAND採用NVMe SSD「Crucial P1」の性能をチェック
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/1151884.html



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あふぉっくす [SSD]

最近はSSDの価格下落が激しく、256GBでも7000円を切る製品が増えてきた。

そんな中、格安SSD ブランドの一つ「AFOX」の、256GB SSDが6480円と激安なのを見つけて衝動買い。

そして中身が気になるので、箱から出して即座に解体してしまった。

afox_01.jpg
部品構成は上下分割のケースと中身の基盤、それに写真にはないがM2x2.5皿ネジ1本。

afox_02.jpg
中身の拡大写真。エプソンのGT-7700Uというフラットベッドスキャナで撮影。

このような中身で、コントローラはRealtekのRTS5731、キャッシュ用のDRAMはNANYAのNT5CB128M16FP、NAND FLASHチップはSK-hynixのH27Q2T8CEC9Rがそれぞれ一個。また写真は無いが基盤裏にはSOP 8pinのNOR Flashが一つ、ファームウェア格納用に貼り付けてあるが、「H25S40 BGN180D」という刻印で検索してもメーカーや型番はわからなかった。


性能などについてはRTS5731搭載の他SSDと大差無いだろうし、格安SSDという事で興味も無いために計測しない。

またコントローラについてはネット上ではすでに判明していたが、まあそれも良し。

ちなみにAFOXの256GBは先人達による報告でコントローラが二種類報告されており、今回のRTS5731は3種類目だ。

まあ格安SSDという事で、今後も中身は変わってくるだろう。


それから最後に一つ。

SSDのガワが、格安SSDとしてはありえない高級品である事に関心してしまった。

上下分割のケースはアルミ板のプレス成形品をアルマイト加工しており、上ブタ上面のスミは4面切削加工で面取りがしてあるのだ!上ブタ上面のスミ4面切削加工なんて、Intel製の高級SSD以外に見たことが無い。

安いSSDは大手メーカー品でも安っぽいプラスチック製が多く、この点は非常に好感が持てると思った。

ただし問題は中身の信頼性だ。この辺りはある程度の期間使い続けなければわからない。


参考:AFOX 256GB アヒル先生にて検索した結果
https://duckduckgo.com/?q=AFOX+256&t=ffsb&ia=web


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東芝のワンチップSSD [SSD]

本日東芝より新しいSSDのサンプル出荷が始まったという発表が、東芝のプレスリリースにて行われた。

64層積層プロセスを用いた(以下略)
https://www.toshiba-memory.co.jp/company/news/20170803-1.html

写真は東芝のプレスリリースより拝借



今回の発表では現在OEM向けのサンプル出荷が始まり、今年十月~十二月以降からの量産出荷という事だが、市販のタブレットやノート型パソコンには来年の新製品くらいから搭載が始まるのだろうか。

気になるスペックはというと、NVMeインターフェイスのM.2 規格で128GB~512GB、読み書き速度がシーケンシャルでそれぞれ1520MB/s / 840MB/s。

形状は面実装タイプと、一般的なM.2スロットで最も短いタイプの2230の2種類であり、後者は自作用マザーボードのM.2スロットに取り付ける事が可能だ。


私個人としては、このSSD単体(もちろんM.2 2230 型)の一般向け販売を期待している。

何故なら私が今最も欲しいSSDがこうしたシンプルで性能がそこそこの製品だからだ。

とはいえOEM向け製品なので、単体で市場に流通する可能性は極めて低いのだが・・・


まあ仮に出ても、今年末から来年にかけて数台予定している、新しく組み立てるパソコンには間に合わないだろうなあ。


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NAND Flashの進歩が速すぎる [SSD]

東芝、1チップ1TBを実現したTSV技術採用フラッシュメモリ「BiCS FLASH」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1070025.html

一個の黒くて四角い、プラスチックの小片が、1TB! 

いちてらばいと。


多分大きさだけで言うと、このチップがあればMicro SDカードで1TBの物が作れる。

そういうシロモノである。


記事によると512Gbitのチップを16枚積層とある。

それもTSVという、NAND Flashのダイに微細な穴を開けて、貫通する電極を使ってダイを重ね合わせる技術を使っている。
なんて贅沢なチップなのだろう。

まあ主にエンタープライズ向けらしいから、一般人に手の届くような値段ではないだろうが。


それにしても、NAND Flashの進歩は速すぎる。

おかげでSSDの高速化と大容量化は数年前の私の予想のはるか上を行っている。

それでも当面ハードディスクは生き残っていくだろうが、SSDがハードディスクを完全に代替する時代は、もうすぐそこまで迫っているのかもしれない。



SDカードもついにテラバイトの時代 [SSD]

世界初、1TBのSDカード開発 SanDisk
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1609/21/news066.html

あの薄っぺらくて小さなカードに1TBも記録できるようになるとは、10年前に一体誰が想像できただろう。


10年前と言えばちょうどSDHCの規格が出た頃。
当時の記事を検索してみたところ、2006年頃は256MB~1000MB(1GB)辺りが主流であり、最も大容量の製品が4GBなのだから時代を感じる。
最大容量の比較で言うと、当時と今では250倍もの差になる。(ちなみにSDカードは2GB、SDHCは32GB、SDXCは2TBが規格上最大記録容量である。)

以下当時の新製品の記事。

SDメモリカード新シリーズの発売について
https://www.toshiba.co.jp/about/press/2006_06/pr_j2801.htm

パナソニック、世界初SDHCメモリーカードを発表
http://www.digi-came.com/jp/modules/news/article.php?storyid=542

指先サイズの超小型メモリーカード「microSD(TM)カード」を発売
http://buffalo.jp/products/new/2005/000191.html

今ではAndroidのスマートフォン用に必須とも言えるMicroSD規格も、この頃から出回ったというのは記憶になかった。今ではあたりまえのように使っているが、出てからまだ10年程度だったとは。


そんなSDカードで1TBの新製品、価格はまだ発表されていないが、現在最大容量として出ている512GBが初登場時約10万円だった事から、これも約10万円になるのかなァと思う。
いくら1TBでも容量当りの単価を考えると高すぎると感じるが、ハイエンドでカードのブランドも最上級の“Extreme Pro”という事を考えると、機能的な価値を加えればご祝儀的な値段とはいえ妥当なのか。ちなみに現在512GBの“Extreme Pro”は35,000~40,000程度の価格らしい。

読み書き速度や信頼性などが相応に落ちる普及品が出れば、この半額くらいまで落ちるのだろうか。とはいえ、今までがそうであったように数年後には半額以下になっているのだろう。


それにしても、SDカードで1TBというのはどんな用途があるだろう。
デジタルカメラで写真を16bitのRAWフォーマットで記録するとか、或いは現在ハードディスクに記録している監視カメラの記録媒体を置き換えるとかくらいか。
これら以外の一般的な用途だったら使いきれないと思うが、10年前も恐らく4GBのSDカードなんて使い切れないと思っていたのだろうなあ。

・・・早く1TBのmicroSDXCカードが2000円程度で買えるようにならないものだろうか。



SSDの新時代 [SSD]

今年に入りSSDの価格低下が激しい。
主な原因はNAND Flashの相場が落ちた事だが、COMPUTEX TAIPEI 2016の記事を読むと今後はさらにSSDの価格低下が進む可能性が高いと思った。

こうした価格低下の背景には設備投資の償却が進んで生産コストが下がった事もあるかもしれないし、今までサムスンのみが出荷していた3D NANDが、東芝製やマイクロン製の出荷が始まっている事も関係しているかもしれない。
とはいえ、最も大きな要因はiPhoneの出荷台数が大幅に減少した影響かもしれないが、需要と供給のバランスも含めてNAND Flashの相場が下がる要因が複数ある事は確かだ。

さらに各種の低価格コントローラで市場への影響力が強い、カニのマークで有名なRealtekがSSDコントローラに参入して来た事も、SSDの価格低下に拍車をかける事だろう。


「3D NAND普及」と「大幅な価格低下」。
この二つの現象は、SSDをめぐる環境が新たな時代に入った事を意味する。

SSDの黎明期はSSDは高価なデバイスであり、一部のハイエンドモデルを省き不具合の多い時代であった。また、市販のパソコンに採用される例も極めて少なかった。

次に訪れた普及期は価格低下が進み、ハードディスクよりも高価ではあるものの市販パソコンへの標準採用やオプションでの選択肢になるケースが増えて、さらに速度と信頼性において格段の進歩を遂げた。

そして、今年を起点とする次の時代。
価格はハードディスクと直接比較できるまでに近付き、容量も増えて、ハードディスクからSSDへの転換が今まで以上に進む事になるだろう。特にノートパソコンの場合は主にSSD用として普及が始まっている新しい汎用インターフェイス「M.2スロット」の存在が大きい。そういう意味でも、すでに下地は出来上がっているわけだ。


3D NANDの普及は今までSSDの大容量化と低価格化の障壁だった、チップ1枚当りの限界容量を大幅に増大させ、今では1枚で256Gbit≒32GBもの容量を持つ製品も出荷されている。そして今後さらに384Gbit、512Gbitといった製品も出てくるだろう。そのうえ今はチップ一枚当りの製造単価が高くとも時間と共にそれは低下していき、容量の増加と合わせてチップ単価の低下がさらに進む事は目に見えている。

以前SSDに関する記事を書いた時は、NAND Flashの進化よりも先に次世代不揮発メモリが出てくると思っていたが、次世代不揮発メモリの開発は難航し、代わりに3D NANDの登場によってNAND Flashの大容量化を阻む要因(微細化の限界)がある程度克服され、読み書きの速度と信頼性に関してはこまでの常識を覆す技術によって大幅に改善している。
データ保持寿命の問題も3D NAND化でキャパシタの容量が増え、恐らく絶縁膜の改良もあって50nm世代のレベルにまで回復していると思われる。


こうなるとハードディスクの用途はデータの倉庫、アーカイブ用途としての使い方に今まで以上に偏る事になりそうだ。しかしそれも、アーカイブ用途においては新世代のテープドライブと競合しているので、いずれテープに支配される可能性もある。
(私はアーカーブ用途ではテープが良いと考えている。)

実際すでに私の環境ではシステムとアプリケーションはSSD、データはハードディスクという使い分けになっているが、そもそもデータを別のドライブに保存するという用途が一般の消費者にどれほどあるだろうか。ましてや、現在は無線ネットワークとクラウドストレージの普及で、端末にデータをあまり置かないのが普通の時代である。

そう考えると一般のパソコンに搭載されるストレージはほとんど全てがSSDのみとなり、ハードディスクを利用するのは一部の限られた人だけになるかもしれない。




ADATAが3D NANDフラッシュ採用新型SSDをお披露目
http://ascii.jp/elem/000/001/173/1173964/

Apple神話崩壊、iPhone初の販売台数減&四半期決算も13年ぶりの同期比減益
http://gigazine.net/news/20160427-apple-revenue-decline/